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米ホワイトハウスが米軍に対し、少なくとも今後2カ月はベネズエラ産原油の「封鎖」ではなく「封鎖と呼ばない封鎖(quarantine)」の運用に注力するよう命じた。12月24日に米当局者がReutersへ明らかにした。トランプ大統領が、麻薬組織を念頭に地上攻撃の可能性へ言及してきた一方、当面の主戦場が「海上の遮断」に寄る構図が浮かぶ。
狙いは「上陸」より、輸出の喉元を締めること
今回の命令が示すのは、軍事行動を前面に出すより、制裁執行を梃子に経済的な圧力を強めるという優先順位だ。Reutersによると、米側は石油輸出の目詰まりが続けば、ベネズエラが年明け後半までに厳しい資金繰りに追い込まれるとの見立ても持つ。港に向かうタンカーが「次は止められるかもしれない」と警戒すれば、それ自体が取引の萎縮につながる。
現場の作業は地味で、しかし手間がかかる。船の追跡、停船要請、臨検や拿捕の法的整理、寄港地の調整まで、海上で完結しない工程が連なる。Reutersは、米国が今月すでにタンカー2隻を阻止し、さらに別の船への対応を準備していると伝えた。地上侵攻の「一撃」より、物流の連鎖を細くする「持久戦」に軸足が移る。
「封鎖」と言い切れない言葉選びが招く反発
quarantineという語が使われる背景には、blockade(封鎖)という表現が国際法上「武力行使」と結びつきやすい事情がある。だが言葉を選んでも、受け止めは割れた。国連側では、米国とベネズエラの緊張が高まるなかで国連安全保障理事会が情勢を議論したと国連ジュネーブ事務局がまとめている。埠頭に原油が滞留するほど、国内の電力や物流の不安は生活側へ波及しやすい。
さらに、国連の人権専門家が海上封鎖を違法な武力行使だと批判したとの報道も出た。政治的反発も広がり、ロシア外務省は米国の動きを「海賊行為」になぞらえたとReutersが伝えている。米政権は2025年3月、ベネズエラ産原油を輸入する国への関税措置も打ち出しており、圧力は多層化している。今後2カ月は、取り締まりの強度と、交渉の余地が同時に試される局面になりそうだ。
参考・出典
- White House orders military to focus on 'quarantine' of Venezuela oil
- Russia compares US blockade of Venezuela to piracy
- UN Security Council hears warnings over escalating US-Venezuela standoff | The United Nations Office at Geneva
- Imposing Tariffs on Countries Importing Venezuelan Oil – The White House
- White House orders US forces to focus on 'quarantine' of Venezuelan oil, official says – ABC News
