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米中央軍（USCENTCOM）は2025年12月13日、シリアでIS（イスラム国）の戦闘員1人による待ち伏せにより、米兵2人と米国人の民間通訳1人が死亡し、米兵3人が負傷したと発表した。襲撃者はその場で殺害された。米軍が現地勢力と組む対テロ作戦は、前線の安全をどこまで担保できるかが改めて問われている。
車列と会合を襲う、前線の「すき間」
攻撃現場は中部の古代都市パルミラ近郊と報じられている。米軍とシリア側部隊が行動を共にする車列や会合の場が狙われ、同行していた民間通訳も犠牲となった。米中央軍は「単独犯の待ち伏せ」と説明し、交戦の末に犯人を殺害したとしている。
通訳の存在は、軍の動きが地域社会の協力に支えられている現実を映す。支援者は前線の情報と人脈をつなぐ一方、狙われやすい。攻撃が一瞬で終わったとしても、同じ任務に就く人々の心理的な負担は残る。対テロの現場では、警護の厚みと機動性の両立が難題になりやすい。
「内側」からの脅威が突きつける選別の重さ
今回の事件では、襲撃者が外部から侵入したのか、それとも内部に紛れ込んでいたのかが焦点となる。AP通信は、襲撃者がシリア治安機関の新規採用者で、ISとの関係が疑われていたと伝えた。協力相手を広げるほど、身辺調査や部隊内の監視をどこまで徹底できるかが作戦の弱点になる。
一方、ISは支配地域を失った後も小規模な襲撃を続けており、単独犯でも大きな損害を与え得る。AP通信は、米軍がシリア北東部やアルタンフ拠点などに約900人規模で駐留し、対IS作戦を支えていると整理する。現地勢力と共闘するほど、「誰を信用できるか」という地味な選別作業が、前線の安全そのものを左右するとの見方が出ている。
参考・出典
- U.S. Personnel Ambushed by ISIS Gunman in Syria（USCENTCOM声明）
- Attacker who killed US troops in Syria was a recent recruit to security forces, official says
- What to know about the US military's role in Syria after deadly IS attack
- シリアでアメリカ兵ら3人が死亡 イスラム国が襲撃 トランプ大統領「イスラム国による我々とシリアへの攻撃だ」
- 2 U.S. service members, 1 U.S. civilian killed in IS attack in Syria
