ベネズエラ政府が99人釈放発表、大統領選後拘束巡り

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2025.12.27

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ベネズエラの刑務所当局は現地時間2025年12月25日、2024年7月の大統領選後の抗議活動に関連して拘束されていた99人を釈放したと発表した。米政権がマドゥロ大統領への圧力を強める局面で、政府は「対話と平和」への意思表示を前面に出す。ただ、人権団体側は、実際に確認できた釈放者数は発表より少ないとの見方を示している。

家族に戻るが「全部は終わらない」

政府発表の「99人」に対し、独立系の人権団体は照合が追いついていない。フォロ・ペナル（Foro Penal、政治拘束の監視で知られる団体）は、現時点で確認できた人数は45人だとする情報もある。別の市民団体は、トコロン刑務所などから70人前後が出たと述べ、数字の食い違いが残った。

釈放といっても、完全な自由とは限らない可能性がある。複数の団体は、渡航制限や定期的な出廷などの「予防措置」が付くケースがあるとし、日常は戻っても監視の影が続くと指摘する。面会の列がほどける一方で、家族は「次に呼び出されないか」を気にしながら暮らす構図になりやすい。

米国圧力の中で問われる透明性

今回の釈放は、抗議の引き金となった2024年7月28日の選挙をめぐる緊張の延長線上にある。選挙結果をめぐり反発が広がった後、当局は約2400人を拘束し、その後も大規模な釈放と再拘束が繰り返されてきたとされる。政府は今回、個別審査のうえでの措置だと位置づけ、治安事件として扱う姿勢を崩していない。

焦点は「何人出たか」だけではない。米国との対立が深まる中で、国内外の批判をやわらげる政治的なジェスチャーなのか、それとも司法手続きの見直しへつながるのかが問われる。政府が公式の氏名リストや条件を示さない限り、発表と実態の差は疑念を呼び続ける。900人規模の政治拘束者が残るとの推計もあり、透明性をどこまで上げられるかが次の分岐点になりそうだ。

家族に戻るが「全部は終わらない」

米国圧力の中で問われる透明性

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