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「やりたくない」と訴えた12歳のタイ人少女の体験が、国会での議論を動かしている。18日午前、立憲民主党は国会内で人身売買の厳罰化をめぐる合同会合を開き、刑法改正案の内容と課題を議論した。東京・湯島の個室マッサージ店で少女が違法に働かされていた事件を受け、同党は今国会中の法案提出を目指している。
12歳少女の事件が突きつけた人身取引の現実
少女は6月、20代の母親に連れられて来日し、東京・湯島の個室マッサージ店で働かされていた。母親は途中で店を離れ、少女は9月に東京出入国在留管理局へ自ら助けを求めて保護された。人身取引とは、労働や性的搾取などを目的に、人を売買したり移動させたりする重大な人権侵害であり、警視庁は仲介業者の関与も含めて捜査を進めている。
政府の発表によると、2024年の人身取引被害者は全国で66人、このうち18歳未満が41人、58人が日本国籍だった。会合に出席した性暴力被害支援NPO「ぱっぷす」の担当者は、歌舞伎町などで未成年の少女が買われ、確認した最年少は10歳だったと説明し、湯島の事件は氷山の一角に過ぎないとして、子どもの性搾取を減らすための対策強化を求めた。
罰則引き上げと支援 厳罰だけでは終わらない課題
現行の刑法では、営利やわいせつ、結婚、加害を目的として人を買い受けた場合、1年以上10年以下の懲役が科される。立憲民主党の改正案は、この下限と上限をそれぞれ2年以上、15年以下へと引き上げるのが柱だ。ぱっぷすによれば、人身取引の量刑は米国で最長20年から終身刑、ドイツや韓国で最長15年とされ、日本の上限は主要国と比べても低いという。
会合でぱっぷすの担当者は、人身売買の罰則を重くすることが犯罪者への抑止となり、警察などによる捜査の優先順位も上がると述べた。別の担当者は、タイ人少女の事件は氷山の一角であるとして、児童買春被害を減らすために人身売買の厳罰化を強く求めた。
こども政策を担当する酒井菜摘衆院議員は、言葉の通じない12歳の少女が1か月で60人もの大人を相手にさせられていた状況を「放置できない」と述べたうえで、行き場のない女性や外国から来た違法就労者の人権を守る支援策も不可欠だと語った。山井和則衆院議員も、今国会での法案提出は「来年に先送りしては責任を果たしたことにならない」と強調し、厳罰化を入口として包括的な対策につなげていく必要があるとした。