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日本、英国、カナダ、ドイツなど計14カ国は2025年12月24日、イスラエルの安全保障内閣が占領下のヨルダン川西岸で19の新たな入植地設置を承認したことを非難する共同声明を出した。国際法違反で地域の不安定化を招き、ガザを巡る国際的な枠組みの実行にも悪影響が出ると警告した。
「ガザ次段階」を動かすはずの外交が、西岸でつまずく
共同声明が目立たせたのは、入植地の増加が「西岸の問題」にとどまらない点だ。各国は、入植政策の強化は緊張を高める一方的行為で、ガザを巡る包括的計画の実施、特に「第2段階」へ進める努力を損なう恐れがあると位置づけた。停戦や復旧の作業台を整えるはずの外交が、別の場所で増える火種に足を取られる構図である。
現場の感覚に引き寄せれば、地図の上で引かれる線の変更が、検問所の通過や通学路の迂回、畑への立ち入りといった日々の手間に波及しやすい。声明が「不安定化」を繰り返したのは、入植地そのものの規模だけでなく、既成事実の積み重ねが衝突の芽を増やす、という見立てを共有したためだ。
連名の狙いは「巻き戻し要求」、イスラエルは反発
声明に名を連ねたのは、日本、ベルギー、カナダ、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、アイスランド、アイルランド、マルタ、オランダ、ノルウェー、スペイン、英国だ。各国は決定の撤回と入植拡大の抑制を求め、国連安全保障理事会決議2334に沿う対応だと明確化した。さらに、併合に反対する立場や、東エルサレム近郊のE1地区なども含む拡張への懸念も織り込み、論点を「歯止め」の有無へ寄せた。
一方、Reutersなどによると、イスラエルのギデオン・サール外相はこの批判に反発し、外国政府が居住地を指図すべきではないとの姿勢を示した。共同声明は、当事者の「安全」と「自決」を並べ、交渉による二国家解決以外に代案はないと強調する。ただ、その前提となる信頼や地図が揺らぐほど、交渉は「始める前から損耗する」状況になり得る。
参考・出典
- Statement on Israeli settlement expansion in the West Bank – GOV.UK
- Joint statement on the approval of the creation of 19 new settlements in the occupied West Bank – Canada.ca
- Joint Declaration – Approval of the creation of 19 new settlements in the occupied West Bank (24.12.25) – Ministry for Europe and Foreign Affairs
- UK, Canada, Germany and others condemn Israel’s West Bank settlement plan
- UK, Canada and Germany condemn Israel for 19 new West Bank settlements | Israel | The Guardian
