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文部科学省の「『科学の再興』に関する有識者会議」が、研究力の立て直しに向けた提言をまとめた。柱の一つは、大学教員が勤務時間の半分以上を研究に充てられる大学を、全国で20校以上に増やすという目標だ。現状は全国平均が約3割にとどまるとされ、トップ層だけでなく中位層も含めて研究時間を生み出す仕組みづくりが焦点になる。
「研究時間50%」を増やすと、何が変わるのか
提言が掲げた「研究時間50%以上の大学を20校以上」という数字は、研究現場の体感に直結する。研究計画を立てても実験や解析にまとまった時間が取れず、学生の指導が夜間や週末にずれ込むような状態では、成果の質も量も安定しにくい。研究に集中できる時間を確保すること自体が、研究費や設備の議論と同じくらい「研究力」の土台になる。
一方で全国平均が約3割という現状からは、教員の時間が教育や学内業務に吸い取られている姿が透ける。実現の条件は、限られた一部の「研究に強い大学」を厚く支えるだけでは足りない。中位層の大学で、授業設計や学生対応、会議・事務を誰がどう担うかまで含めて、研究時間を生む運用に踏み込めるかが問われる。
次期基本計画にどう落とすか、施策の「割り算」が始まる
文科省は提言を、内閣府の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI、科学技術政策の司令塔)に報告し、次期の「科学技術・イノベーション基本計画」(第7期、2026〜2030年度)に反映させる方針だ。CSTIでは基本計画策定に向けた専門調査会の会合が重ねられており、年度末の計画取りまとめを見据えて、大学改革や人材政策をどう束ねるかの議論が進む。
論点は、数字目標を掲げた後の「割り算」にある。研究時間を増やすには、教育の質を落とさずに授業負担を調整し、審査・会議・事務の担い手を補強する必要がある。つまり、研究時間の確保は教員個人の努力ではなく、大学の人員配置や財源、評価指標の設計と一体の政策になる。目標の恩恵が一部に偏り、格差の固定化につながらない手当ても、基本計画に求められる。
