警視庁が中国籍の男2人を逮捕、口座乗っ取りで相場操縦容疑

ネット証券の“連続乗っ取り”で初逮捕 相場操縦の実行役を摘発

※記事を視覚化したイメージであり、実際の事象とは異なります。

本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。[続きを表示]ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。[私たちの取り組み]

インターネット証券の口座が乗っ取られ、勝手に株を売買される被害が続く中、その手口に直接関わったとされる人物が初めて逮捕された。警視庁の合同捜査本部は11月28日、中国籍の男2人を不正アクセス禁止法違反と金融商品取引法違反(相場操縦)の疑いで摘発した。2025年に入り発覚した不正取引は9000件超、総額7000億円以上ともされる中、捜査はようやく「稼ぎの源泉」に踏み込んだ形だ。

奪われる老後資金 口座乗っ取りが個人にもたらす現実

証券口座乗っ取りの被害の多くは、相場のプロではない個人投資家に集中している。金融庁の資料では、今年1〜4月だけで不正取引額が3000億円を超え、件数も急増した。数字の裏側には、長年積み立てた老後資金や教育資金が、一夜にして姿を消す現場がある。便利さからネット証券に乗り換えた人ほど、被害に遭うまで自分が狙われている自覚が薄い。

典型的な流れは、まず何者かにログインIDやパスワードを盗まれることから始まる。証券会社を装ったフィッシングサイトや、パソコン・スマートフォンに入り込んだマルウェアによって、本人が気づかないうちに情報が抜き取られるケースが多いとされる。犯行グループは乗っ取った口座で保有株を売らせ、その代金で中国株など流動性の低い銘柄を高値で買い付けさせ、価格差分の利益を別口座で回収する。被害者の画面には「見知らぬ外国株」が突然現れ、含み損だけが残る。

テレビ朝日系の報道では、老後の蓄えとして貯めた2000万円超を失った例も紹介された。高齢の投資家ほど、フィッシングメールの巧妙さやスマホアプリの偽装に不慣れで、異変に気づくのが遅れやすい。被害後は、補償の有無を巡って証券会社とのやり取りが長期化することもあり、精神的な負担は金額以上だという声も各メディアで伝えられている。

「相場操縦」で初の摘発 捜査当局が狙う本丸

今回逮捕された2人は、他人名義の証券口座に不正にログインし、株価を意図的につり上げた上で、乗っ取った口座に高値で株を買わせていたとされる。警視庁などは、不正アクセスだけでなく金融商品取引法の相場操縦容疑を適用した。相場全体をゆがめる行為として重く見る姿勢を示した格好で、一連の問題で不正取引の実行役が立件されるのは初めてだ。

従来のネット犯罪では、銀行口座からの不正送金が主な手口だったが、証券口座の乗っ取りはより複雑だ。犯行グループは自ら保有する株と、乗っ取った口座とを組み合わせ、市場で売買を繰り返して価格をつり上げる。最終的に高値で売り抜けた側に利益が残り、被害者の口座には暴落した株と損失だけが残る構図だ。送金履歴だけを追っても全体像をつかみにくく、どこまでが相場操縦にあたるかの線引きも簡単ではない。

一方で、金融庁や証券会社は被害の急拡大を受けて、多要素認証の必須化や不審なアクセスの自動検知といった対策を打ち出してきた。ネット証券各社では、通常とは異なる端末や地域からのログインを制限したり、ワンタイムパスワードの入力を義務づけたりする動きが広がる。今回の摘発は、技術的対策と並行して「儲けのスキーム」そのものを断ち切る試みとも言えるが、海外に拠点を置く組織犯罪の全体像解明はなお途上だ。

ネット証券の信頼を守るには 摘発と自衛の両輪が必要に

証券口座を巡るサイバー犯罪は、ここ数年で姿を変えてきた。過去には、口座情報を盗み出し登録された銀行口座を差し替えて送金させる手口が目立ったが、今は株の売買そのものを悪用して利益を移す方法が主流になりつつあると指摘されている。売買であれば市場の動きに紛れやすく、補償の範囲も一義的でないため、被害者・証券会社・犯罪者の間で責任の線が見えにくくなる。

スマートフォンだけで株取引が完結する時代になり、公共Wi-Fiやフリーの端末から口座にアクセスする人も少なくない。警察庁や日本証券業協会は、公式アプリやブックマークからのログイン、多要素認証の設定、こまめな残高確認など基本的な対策を重ねて呼びかけている。フィッシングメールの真偽を疑う習慣や、身に覚えのない認証コードが届いた際に即座にパスワードを変更する行動も、被害拡大を防ぐ最後の砦となる。

今回の逮捕は、巨大化した証券口座乗っ取りビジネスに初めて本格的なメスが入ったという意味で大きい。しかし、捜査当局の摘発だけで、海外にまたがる犯罪グループの全容解明と再発防止が一気に進むわけではない。補償ルールの明確化や証券会社の監視体制強化とともに、利用者一人ひとりがリスクを前提に行動様式を変えられるかどうかが、ネット証券の信頼を長期的に支える鍵になっていくだろう。

参考・出典

ニュースはAIで深化する—。日々の出来事を深掘りし、次の時代を考える視点をお届けします。

本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。
ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、
実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。
[私たちの取り組み]