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証券口座の乗っ取りを足場にした不正売買で、証券取引等監視委員会は2025年12月18日、川崎市の法人「L&H」と代表の林欣海容疑者(38)を相場操縦の疑いで東京地検に告発した。画面の向こうの不正が、株価の信頼そのものを揺らしている。
奪われた口座が、値動きを作る道具になる
監視委によると、2025年3月17日、林容疑者らは不正アクセスで利用した口座を含む11口座を使い、東証上場のウィルソン・ラーニングワールドワイド株に連続した高指値の買い注文を重ねた。相場操縦は、需要があるように見せて価格を動かす行為だ。
買い上がりに加え、同社名義では下値の買い注文を大量に入れるなどして売買が活発だと誤認させたとされる。さらに同価格で売りと買いを合わせる通謀取引も交え、最終的に同社名義で72万2900株を売却した疑いだ。被害者は株だけでなく、口座という「入場券」も奪われる。
刑事告発が示す、監視の次の焦点
警視庁などの合同捜査本部は2025年11月に林容疑者らを相場操縦や不正アクセス禁止法違反の疑いで逮捕しており、今回の告発で捜査は検察判断の段階に入る。市場監視の入口が、取引所だけでなくログイン情報の流出へ広がった格好だ。
投資家にとって厄介なのは、不正が「出来高の増加」や「急騰」という一見の材料に化ける点である。注文の裏側が見えない以上、証券会社側の多要素認証や取引通知、異常検知の強化が欠かせない。事件が示したのは、株価の公正さはサイバー防御と一体だという現実である。
