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欧州エアバス社の主力機A320シリーズでシステムの不具合が見つかり、全日本空輸(ANA)は11月29日、国内線95便の欠航を決めた。徳島や富山など地方路線を中心に、約1万3000人の予定が狂い、空港では案内表示に「欠航」の文字が並んだ。なぜ1日のうちに欠航が全国へ広がったのか。その背景と今後の行方を追う。
地方路線を直撃した突然の「運休の一日」
29日朝の羽田空港。出発ロビーの電光掲示板には、ANAの国内線に「欠航」の赤い表示が次々と増えていった。A320とA321型機が相次いで整備入りとなり、この日だけで95便が飛べなくなった。徳島や富山、佐賀などを結ぶ便も含まれ、およそ1万3200人が影響を受ける見通しだ。
とりわけ打撃が大きいのは、羽田と地方空港を結ぶ路線だ。もともと本数が限られる区間では、別便への振り替えが難しく、新幹線や高速バスに切り替えざるを得ない利用者も出ている。ビジネス客だけでなく、週末の帰省やイベント参加の予定も狂い、宿泊先の変更や会議のオンライン化を急ぐ企業も少なくない。
一方で、日本航空は今回の対象となるA320シリーズ機を保有しておらず、通常どおり運航している。空港カウンターでは、ANA便の欠航を知った利用者が他社便の空席を尋ねる姿も見られ、国内線ネットワーク全体で運休分をどう吸収するかが問われている。地方路線では「代わりの足」が限られる現実が、あらためて浮き彫りになった。
ANAとエアバス、時間との闘いになったシステム改修
発端は、欧州航空安全庁(EASA)が28日に出した緊急の耐空性改善命令だ。共同通信などの報道によれば、10月末に米ジェットブルー航空のA321機が運航中に急降下する事案を調べる中で、強い太陽からの放射線が操縦に使うデータを壊してしまう可能性が見つかり、A320ファミリーの多くでソフトウエア改修が必要だと判断された。
エアバスは各国の航空会社に対し、対象機は次の便に就航する前までにソフト更新を完了させるよう求めている。ANAではA320とA321合わせて34機が該当し、1機あたりおよそ4時間の作業が必要とされる。短時間で多数の機体を整備場所に確保するには、運航便を一気に減らすしかなく、安全を優先して29日の大規模な欠航に踏み切った形だ。
同じ命令を受けても、影響の度合いは航空会社ごとの機材構成で変わる。格安航空会社のピーチ・アビエーションは、対象となった少数の機体について29日正午前までに改修を終え、この問題による欠航は生じなかったと説明している。機種を絞って運航する効率性と、トラブル時の代替余力をどう両立させるかという、航空会社の経営判断も問われている。
世界で広がるソフト不具合、日本の旅行計画への影響は
A320ファミリーは世界で約1万1000機が運航するベストセラー機だ。ブルームバーグやロイター通信などの報道では、このうち6000機超が今回の不具合の影響を受ける可能性があるとされる。米アメリカン航空などは数百機規模でソフト更新を進めており、各社とも遅延や一部欠航を織り込みながら、年末の繁忙期を前に対応を急いでいる。
関係者によると、多くの機体は操縦室から短時間で行う更新作業で済む一方、古い仕様の一部ではハードウエア交換が必要になる可能性もあるという。その場合は整備期間が長引き、国内外で中長期的に座席供給に余裕がなくなるおそれがある。航空各社は他機種の稼働を増やすなど、世界的な航空需要の回復と整備計画の両立に頭を悩ませている。
ANAは30日以降も遅延や欠航の可能性があるとして、利用予定のある人に最新の運航情報の確認を呼びかけている。安全性を高めるための改修は欠かせないが、共通化が進んだ機材とソフトウエアに予期せぬ不具合が見つかったとき、その影響が一気に世界へ波及する現実も示された。私たちの移動の便利さは、こうした見えにくいリスク管理の上に成り立っている。
