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科学技術振興機構(JST)は2026年9月29日、AIを科学研究に活用する「AI for Science革新的研究推進事業(ARiSE)」で、新たに31件の研究課題を採択したと発表した。材料やゲノムの研究基盤づくり、がん細胞のデジタルツインを用いた創薬応用などが対象となる。研究期間は最長約2年半で、研究費上限は研究タイプなどによって異なる。
研究基盤の構築から材料開発・創薬への応用まで
採択課題には、複数の研究を支える基盤の構築と、個別分野への応用が含まれる。物質・材料研究機構の出村雅彦氏が代表を務める「AI for Materialsを実現するマテリアルAI基盤の構築」や、国立遺伝学研究所の黒川顕氏による「ゲノム言語モデルによる次世代生命科学研究基盤の創出」が選ばれた。
創薬関連では、大阪大学の岡田眞里子氏が代表を務める「がん細胞デジタルツインの構築と創薬応用」が採択された。AIの活用対象は、材料研究からゲノム、がん細胞まで幅広い。
研究を加速する目標も示されている。関芳弘文部科学大臣は9月29日の記者会見で、マテリアルAI基盤を通じて新素材の開発速度を10倍にする目標を説明した。また、国内11の放射光施設で測定・解析の自動化・自律化を目指すAI放射光基盤の構築も紹介した。いずれも今後の研究開発で達成を目指す目標である。
JSTによると、採択の内訳は「戦略ターゲット型」が12件、「国際・融合型」が19件だった。応募はそれぞれ70件、133件。がん細胞デジタルツインの課題は国際・融合型に含まれる。
研究費の上限は、戦略ターゲット型が1課題当たり10億~30億円で、対象となる戦略ターゲットによって異なる。国際・融合型は原則2億円が上限で、真に必要な場合は最大6.5億円の申請が認められる。
公募期間は2026年5月12日から6月30日まで。JSTは82人のアドバイザーの協力を得て書類審査と面接審査を行い、支援対象を選んだ。9月29日の発表時点では、契約などが整い次第、研究開発を開始する予定としていた。
