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リーバー脳発達研究所などが参加する国際研究チームは、近傍だけでなく離れた位置から働く遺伝子発現の制御を組み込んだ解析で、統合失調症と有意に関連する766遺伝子を特定した。うち641遺伝子は、過去のトランスクリプトーム規模の関連解析で報告されていなかった。
1万8744遺伝子で発現予測を改善
研究成果は2026年6月22日付のNature Geneticsに掲載された。研究チームは、脳の死後組織6領域のRNA解析データから遺伝子発現の予測モデルを構築し、独立したGTExとCommonMind Consortiumのデータでも検証した。
一般的なトランスクリプトームワイド関連解析(TWAS)は、主に標的遺伝子から前後100万塩基以内の変異を使って発現を推定する。研究チームはこれに対し、共発現ネットワークを利用して遠隔的な制御を捉える「INGENE」と「MODULE」を開発した。
INGENEは、近傍の変異に調節される共発現遺伝子を介した影響を推定する。MODULEは、共発現する遺伝子群全体の変動に関連する変異を捉える。従来の近傍型モデルとこれらを統合した結果、1万8744遺伝子で発現予測が改善した。
欧州系62コホートで766遺伝子と関連
統合モデルをPsychiatric Genomics Consortium wave 3の欧州系祖先62コホート、計10万2613人に適用したところ、統合失調症と有意に関連する766遺伝子が得られた。このうち641遺伝子は過去のトランスクリプトーム規模の関連解析で未報告だった。
今回の結果は、遺伝的に予測した遺伝子発現と統合失調症との統計的関連を示すもので、個々の遺伝子が発症を直接引き起こすことを証明したものではない。
また、死後脳のバルク組織では細胞種ごとの影響を十分に分けられず、解析対象も欧州系祖先に限定された。診断や治療への利用を確立するには、さらに検証が必要となる。
