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ベラルーシのルカシェンコ大統領は2025年12月13日、ノーベル平和賞受賞者のアレシ・ビャリャツキ氏や反政権派のマリア・コレスニコワ氏、元日本語講師の中西雅敏氏を含む123人を釈放した。在リトアニア米国大使館が明らかにし、釈放者は周辺国へ移送された。問われるのは、自由の回復と引き換えにどんな「政治の取引」が進むのかだ。
釈放は「国外移送」までがセット、帰れる場所はまだ遠い
報道各社によると、釈放された123人のうち114人はウクライナへ、9人はリトアニアへ移された。釈放は単に刑務所の門が開いただけではなく、国内にとどまらない形で進められた点が特徴だ。米国側の関与が示される一方、当事者にとっては「自由」と「居場所」が同時に戻るわけではない。
日本人の中西氏も釈放者に含まれた。中西氏はベラルーシ南東部ゴメリで日本語を教えていたが、2024年7月に拘束され、2025年3月にスパイ罪で禁錮7年を言い渡されていた。日本政府は釈放を求めてきた経緯があり、外交交渉が個人の身柄に直結する現実をあらためて浮き彫りにした。
制裁緩和と引き換えの「人道」、残る収監者をどう位置づけるか
今回の釈放は、米国がベラルーシ産カリ肥料を巡る制裁を一部緩めた動きと並行して語られている。ReutersやAPは、米特使ジョン・コール氏が交渉に関与したと伝えた。ベラルーシ側は、釈放対象をスパイや過激主義などで有罪となった人々だと位置づけており、国内統治の論理は崩していない。
一方で、ビャリャツキ氏は人権団体Viasnaの創設者で、2022年にノーベル平和賞を受賞した人物だ。コレスニコワ氏も2020年の大規模抗議の象徴として収監され、長期刑を科されていた。釈放が注目を集めるほど、なお残る政治犯の存在が重くなる。Viasnaは取引前の時点で政治犯が1,200人超いるとしており、誰が次に解放されるのかという不透明さが、交渉の「次の代償」になり得る。
参考・出典
- Lukashenko frees Nobel winner Bialiatski and key Belarus opposition figures in deal with US (Reuters, 2025-12-13)
- Belarus frees Nobel Prize laureate Bialiatski, opposition figure Kolesnikova as US lifts sanctions
- Released Belarus prisoners have no regrets over their actions (Reuters, 2025-12-14)
- Belarus Releases Prisoners, Including Japanese
- US lifts sanctions on Belarusian potash, Lukashenko releases 123 more political prisoners
