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東北大学未来科学技術共同研究センターの黒田理人教授らは、島津製作所やラピスセミコンダクタなどと、1秒当たり6兆画素で信号を読み出せるバースト型(センサー内メモリー)CMOSイメージセンサーを開発した。30万画素で毎秒2000万コマ、256コマを連続記録でき、放電に伴う衝撃波の撮影も実証した。成果は高速度ビデオカメラ「HyperVision HPV-X3」として実用化された。
研究現場の「見えない瞬間」を切り取る
毎秒2000万コマという速度は、1コマあたり約50ナノ秒で起きる変化を追える計算だ。衝撃波や絶縁破壊、プラズマのように「速すぎて測れない」現象は、材料評価や電力機器の設計、半導体プロセスのトラブル解析などで壁になりやすい。実験のたびに条件を変えながら原因を探る現場では、映像が“手がかり”としての価値を持つ。
今回のセンサーは、30万画素と超高精細ではない一方、現象の初期過程を面で捉えることに主眼がある。放電時の衝撃波を撮れたことは、電気的な破壊が起きる直前・直後の挙動を、計測波形だけでなく画像として突き合わせられる可能性を示す。装置としてすでに商品化されている点も、研究用途での導入を後押ししそうだ。
速さの鍵は「撮ってから読む」構造にある
バースト型は、画素で生じた信号をその場で外部へ流すのではなく、センサー内のメモリーへ一気に転送して“ためる”方式だ。黒田教授らの発表では、画素とメモリーを配線で結び、信号を並列に移すことで桁違いの読み出しを実現したとしている。加えてグローバルシャッタ(全画素同時露光)を採用し、寄生光感度(迷光による偽信号)を抑えてゴーストの少ない撮像を狙った。技術の詳細はIEDM 2025で報告され、東北大は2025年12月にプレスリリースを出した。
一方で、バースト型の「超高速」と引き換えに、記録は256コマ分に限られ、観測できる時間窓はごく短い。照明や実験の再現性、読み出し後のデータ処理も含めて、運用側の工夫が要るのが現実だ。今後の焦点は、現場が必要とする解像度や記録枚数との折り合いをどう付けるか、そしてHPV-X3としてどこまで幅広い分野に普及するかに移る。
