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米シリコンバレーのAI企業Pale Blue Dot AIが、中国の顧客向けに日本で使うエヌビディア製GPUの購入資金として、約3億ドル規模の融資調達を進めていることが分かった。融資が実現すれば、日本のデータセンターで稼働する半導体を通じて、中国企業が高性能AI計算能力にアクセスする構図になる。
米政府が中国本土への半導体輸出規制を強めるなか、日本のインフラや国際金融機関が「抜け道」として組み込まれかねない。そのとき、誰がどこまで政治・制裁リスクを引き受けるのかが、静かに問われている。
日本のデータセンターが抱える「抜け道」不安
関係者によれば、Pale Blue Dot AIはエヌビディアの先端GPUをまとめて購入し、日本の首都圏にあるデータセンターで稼働させ、中国のSNS兼ECプラットフォーム大手に計算資源として提供する構想とされる。中国側は現物チップを輸入せず、日本の施設を経由してAI処理能力だけを利用することになる。
米政府は2022年以降、エヌビディアの高性能AI半導体を中国本土企業へ直接輸出することを段階的に制限してきた。一方で、中国国外のクラウドやデータセンターを用いた利用については、グレーな余地が残っている。この隙間を突くように、第三国に設置したサーバーから距離の離れたユーザーへGPUを貸し出すビジネスが広がりつつある。
日本のデータセンター事業者にとっては、海外需要の取り込みや設備投資の回収というメリットがある半面、契約先の最終利用者や用途が、将来の規制変更で一気に「リスク案件」に変わる懸念もある。現場では、通信・電力・金融など複数の規制分野にまたがるため、どのルールを基準に判断すべきか分かりにくいという戸惑いも生じている。
融資を巡る金融機関の逡巡と多拠点化するAI企業
報道によると、同社は複数の銀行やプライベートクレジットファンドに対し、3億ドル前後の融資を打診し、3か月以上協議を続けているものの、成約のめどは立っていない。関係者の間では、この種の貸し付けは米国の追加制裁に巻き込まれる恐れがある「政治的にデリケートな案件」と受け止められており、大手米銀が投資家向け資料の作成に関与しつつ、最終的には距離を置く可能性も指摘されている。
ドル建てで半導体関連の取引に融資する場合、たとえ資産が日本のサーバーにあり、中国の企業がエンドユーザーであっても、米国の輸出管理や金融制裁の影響を受け得る。規制が一段と厳しくなれば、融資実行後に契約の見直しや貸倒リスクが顕在化する可能性もあり、銀行側は収益とコンプライアンスの板挟みにある。
企業登記データベースでは、「PALE BLUE DOT AI PTE. LTD.」という同名企業が2020年にシンガポールで設立され、コンサルティングとITサービスを手がける法人として登録されている。 米西海岸の拠点に加え、アジアでも法人網を持つとみられるAI企業が、日本のデータセンターと国際金融のネットワークを結びつけるかたちでビジネスを組み立てている構図だ。ルールが変わったとき、そのコストを誰がどの程度負担するのかという問いは、日本の事業者や政策当局にとっても、もはや他人事ではない。
