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出張の最終調整が続く年の瀬に、渡航計画を軽くする知らせが届いた。中国外務省が、日本人の中国入国について30日以内の滞在であればビザを免除する措置を延長すると発表したのだ。期限は2026年12月31日まで。観光やビジネス、親族訪問など往来の回復基調を後押しする決定であり、アジアと欧州をまたぐ多くの国々にも同様の延長が広がっていると映る。
延長の中身と対象の広がり
中国外務省は2025年11月3日に、短期滞在のビザ免除措置を2026年12月31日まで延長すると明らかにした。対象は日本を含む多数の国で、出張や観光、親族の訪問、交流訪問、乗り継ぎを目的とした入国が想定される。滞在は中国国内で30日以内とされ、条件に合致すれば入国前のビザ取得は不要という位置づけである。
この枠組みは2024年11月30日に始まり、当初の期限は2025年12月31日だった。導入時に滞在日数は従来の15日から30日に拡大され、活動の幅が一段と広がった経緯がある。短期往来を促す考え方はそのままに、今回の延長で企業の短期出張や個人旅行の計画が組みやすくなる効果が期待できるとみられる。
あわせて2025年11月10日からスウェーデンが新たに加わることも示された。欧州ではフランスやドイツ、イタリアなどが引き続き対象となり、アジアでは日本や韓国が並ぶ。対象国の全体像は時期により変動するが、地域横断で人の流れを太くする方向性がより明確になったと映る。
コロナ後の経緯と政策の狙い
日本人に対する短期ビザ免除は、コロナ禍の2020年3月に一時停止された。転機となったのは2024年11月の再開である。中国側は日本を含む複数の国に対し、30日以内の滞在を条件にビザを免除する方針を公表し、同年11月30日から運用を始めた。対象となる目的に「交流訪問」を含めたことも、往来回復への意欲を物語る。
背景には、国際往来を促し経済と人文交流を押し上げる狙いがある。2024年の制度設計では、ビジネスや観光に加えて親族訪問や乗り継ぎも免除対象に整理され、実務の分かりやすさが意識された構図だ。2025年の延長判断は、その効果を継続させる政策的なメッセージとして受け止められる。
今回の発表では、対象国の一部追加や期間の上積みが示され、段階的に門戸を広げる姿勢が見える。他方で、全ての国・全ての目的に免除が及ぶわけではないため、制度の線引きは維持されている。往来を進めつつ、管理の実効性も担保するというバランスの取り方が浮かぶ。
渡航の実務で知っておきたいこと
免除の対象となるのは、30日以内の滞在で商用、観光、親族訪問、交流訪問、乗り継ぎに該当するケースである。就労や留学など、これら以外の目的は引き続きビザが必要だ。条件に合致しない入国や滞在延長を伴う計画は、事前に適切な査証の取得を検討する必要があるとみられる。
実務上は、旅券の有効期限や往復の移動手段、宿泊先の確保など基本条件の確認が欠かせない。免除の適用可否は目的や滞在日数のほか、入国時の審査で判断されるため、予定の行程や必要書類を整えておくことが望ましい。万一の変更に備え、キャンセル規定や保険の条件も点検しておきたい。
制度は発表や通知で更新されるため、最新情報の確認が肝要である。現時点で確認されている範囲では、2026年12月31日までの延長が示されているが、細部の運用は在外公館や所管機関の案内に従うのが確実だ。計画の段階から公式発表をたどる習慣が、渡航の安心につながる。
