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人工衛星画像が、次の空母の動力をめぐる見立てを一気に現実味のある話題へ引き寄せた。公益財団法人「国家基本問題研究所」は2025年12月、建造が進むとみられる中国の4隻目の空母について、建造ドック周辺の画像に原子炉の格納部材に似た構造物が写っていると公表した。事実なら中国初の原子力空母につながるが、画像解析だけでは断定できない点も残る。
衛星画像で見えた「枠」は何を意味するのか
国基研の説明では、4隻目は遼寧省大連の造船所で建造が進んでいる可能性がある。ここは2隻目の空母「山東」が造られた場所とされ、2025年2月以降、船体を支える角材がドック内に並ぶ様子が確認されたという。さらに2025年11月には、船体の一部とみられる大型構造物が置かれ、縦横が約14メートルと16メートルの「容器状」のものが2つ見つかったとしている。
研究員の中川真紀氏は、米海軍の原子力空母を造る造船所の衛星画像と比べ、寸法や配置が似ていると分析した。一般に原子力空母は原子炉を複数基積む設計が多いとされ、2つ見つかった点が注目材料になっている。一方で、衛星画像は角度や解像度に限界があり、同じ形状が別の用途を示すこともある。中国側が建造計画や動力方式を公表していない以上、「示唆はあっても確定ではない」という距離感が要る。
原子力空母なら、伸びるのは航続だけではない
原子力推進(原子炉で蒸気を作りタービンを回す方式など)が本当に採用されれば、補給に縛られにくい長期展開がしやすくなる。さらに空母では、艦載機を射出するカタパルトや艦のレーダーなどで大きな電力を使うため、発電余力も運用の幅に直結する。中国海軍はすでに複数の空母を運用し、3隻目「福建」も含め発着艦能力の拡大が焦点とみられてきた。4隻目が原子力になるかどうかは、太平洋側での行動半径や持続性に関心が集まる理由でもある。
ただ、原子力化は「夢の燃料」ではない。建造・整備に高度な安全管理と人材育成が要り、寄港や整備拠点の制約も増えやすい。論点は、航続や電力といった利点と、運用コストやリスク管理の負担を中国側がどこまで引き受けるかにある。米国防総省は年次報告で中国の将来計画として原子力空母の可能性に触れてきたとされ、日本の防衛研究所も同報告書の位置づけを解説している。次の手がかりは、ドック周辺で原子力関連設備の整備が続くのか、艦の構造が原子炉区画を前提にした形で固まるのかといった「継続する兆候」だ。
