中国海警局が放水と錨索切断　南シナ海でフィリピン漁船被害

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2025.12.15

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12月13日、フィリピン沿岸警備隊は南シナ海のサビナ礁（フィリピン名エスコダ礁）周辺で、中国海警局側がフィリピン漁船に高圧放水を行い、錨索も切断したとして、漁師3人が負傷したと明らかにした。中国側は12日、同海域でフィリピン漁船約20隻に「必要な管理措置」を取ったと発表している。

放水と錨索切断が残した「戻れない不安」

フィリピン側の説明では、漁船団は漁場として知られるサビナ礁付近で操業中に、放水と進路妨害を受けた。小型艇が複数の船の錨索を切ったとされ、強い潮流と波の中で船体が流されかねない状況が生まれた。負傷は打撲や裂傷などで、2隻に損傷も出たという。

沿岸警備隊は救援のため艦艇を派遣したが、接近の過程でも中国側の危険な航行があったと主張する。結果として負傷者への応急手当と補給は実施できた一方、漁船の安全確保が「法執行」の名目で揺さぶられる構図が浮き彫りになった。海で生計を立てる人々が、緊張の最前線に置かれている。

互いの「法執行」がぶつかる海、残る選択肢

サビナ礁はパラワン島の西約150kmに位置し、フィリピンは自国の排他的経済水域内だと位置付ける。一方、中国は「仙賓礁（Xianbin Jiao）」周辺でフィリピン船が警告を無視して侵入したとして、拡声器での警告や追い払いなどの措置を取ったと説明した。呼び名の違いが、管轄の主張の違いをそのまま映す。

ReutersやAPなどの報道でも、双方が相手側を挑発だと非難し合う構図が続く。2016年の仲裁判断は中国の広範な主張に法的根拠がないとしたが、中国は受け入れていない。衝突の偶発性を下げるには、現場での接触を減らす運用や連絡経路の実効性が問われる。漁民の安全を誰がどう担保するのかが、次の焦点になりそうだ。

放水と錨索切断が残した「戻れない不安」

互いの「法執行」がぶつかる海、残る選択肢

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