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米シティグループは12月12日付のメモで、米株指数S&P500の2026年末目標を7700に据えた。企業収益の粘り強さとAI投資の追い風が続くという前提だ。注目点は、相場の焦点がAIを「実現する側」から「使いこなす側」へ移るという見立てにある。
目標7700は「到達点」より、家計が背負う揺れ幅を示す
目標の7700は、直近終値6827.41から約12.7%の上昇余地を示す一方、強気相場が長期化する局面ならではの揺れも織り込む必要がある。シティは強気なら8300、弱気なら5700といったレンジも示し、高評価が続く市場では「正解の幅」が広がる構図をにじませた。
S&P500は、米国の主要企業群の値動きを束ねた代表指数だ。指数連動の投信や年金運用にとって、見通しの修正は資産評価に直接影響しうる。ただし目標値は約束手形ではない。増えたボラティリティを前提に、積立の継続か比率調整か、時間軸に合う選択を点検するのが現実的だ。
AI投資の主役交代、利益の出方が「企業ごと」に割れていく
シティが強調する「AIインフラ構築」は、データセンターや半導体、電力・冷却などの土台づくりを指す。国際エネルギー機関（IEA）は、データセンターの電力消費が2030年に約945TWhへ倍増する可能性を示しており、設備投資の熱量が急に冷めにくい背景になる。そこから先は、導入企業が生産性や利益率で差をつける局面だ。
過去の技術ブームでも、道具を供給する企業から、道具で稼ぐ企業へ物色が移る場面があった。今回も、AI導入が広がり、収益の底上げが続くのか、投資負担が先行して成果が限定的にとどまるのかで、勝ち組と失速組が分かれやすい。もし前者ならサービスの質やコストに間接影響が及ぶ余地がある一方、後者なら市場の期待調整が焦点になるだろう。
参考・出典
- Citi sets 2026 S&P 500 target at 7,700, expects AI to remain key theme（Reuters, 2025-12-15）
- S&P 500 | S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス
- Corporate Profits | U.S. Bureau of Economic Analysis (BEA)
- Energy demand from AI – Energy and AI – IEA
- Will 2026 Be a ‘Lackluster’ Year for the Stock Market? Why This Expert Thinks So
