米司法省が捜査資料を一時非公開、エプスティーン元被告巡り波紋

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2025.12.23

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米司法省が12月19日に公開した、性犯罪で有罪判決を受けたジェフリー・エプスティーン元被告（故人）に関する捜査資料の一部が、翌20日までにサイト上から一時的に閲覧できなくなった。削除対象にはトランプ米大統領が写る画像も含まれ、政治的意図を疑う声が広がった。司法省は21日、被害者保護の観点から確認のために取り下げたと説明し、写真は同日中に再掲された。

「消えたファイル」が突いた、公開手続きの弱点

公開直後の資料群から、少なくとも十数点のファイルが説明のないまま見えなくなったことが注目を集めた。Reutersが伝えたところでは、問題となった写真はニューヨーク南部地区の検察側が「被害者が写り込む恐れ」を理由に念のため警戒し、いったん外す判断につながったという。削除は証拠の価値より、公開物としての安全性を優先した対応だった。

トッド・ブランチ司法副長官は、削除はトランプ氏に関わる配慮ではないと強調し、女性の画像が未編集のまま含まれていた点を問題視したと述べた。司法省はその後の点検で「被害者が写っている証拠はない」として、写真を無加工で戻した。だが、出し入れの経緯が後追いで示されたことで、公開の作法そのものが問われる形になった。

被害者保護と透明性は両立できるか

司法省の公式サイト「Epstein Library」には、量が膨大なため個人情報などが誤って含まれる可能性があるとして、発見時の連絡を求める注意書きがある。実際、被害者の名前や機微情報の扱いをめぐる混乱は別の場面でも起きており、APは、エプスティーン事件に関連して有罪となったギレーヌ・マクスウェル受刑者の提出書面に被害者名が記載され、裁判所が封印などの対応を取ったと報じた。

一方で、公開の不備は政治不信の燃料にもなる。CBS Newsは、黒塗りが広範囲に及ぶ資料が少なくないと伝え、Axiosは生存者らが「期限までに十分な公開がなされていない」として議会に書簡で懸念を示したと報じた。被害者保護を徹底するなら、削除や差し替えの基準、改訂履歴、再掲の判断理由を最初から見える形で整えないと、正当な慎重さまで疑念に変わりかねない。

「消えたファイル」が突いた、公開手続きの弱点

被害者保護と透明性は両立できるか

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