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EUの欧州委員会と外交安全保障上級代表は2026年10月20日(現地時間)、新たな北極戦略を発表した。北極圏を含む地域で石油・石炭・ガスを地中にとどめる方針を維持する一方、2021年に目指していた新規資源開発を禁止する国際協定の追求は再掲しなかった。新戦略では、安全保障、気候変動対策、経済的繁栄、地域社会の機会創出を4つの優先事項とする。
気候対策と経済協力、地域社会への配慮
新戦略は、2021年の北極政策以降に進んだ地政学的な競争や安全保障、環境の変化に対応するものだ。
気候対策では、海洋観測構想「OceanEye」を通じたデータの収集・共有により、気候予測や海洋監視を強化する。再生可能エネルギー、重要原材料、輸送、デジタル接続、持続可能な海洋産業での経済協力も支援する。
欧州委員会は、化石燃料を地中にとどめる立場を引き続き維持すると表明した。ただし、ロイターによると、2021年に掲げた北極での新規炭化水素開発を禁止する国際的な枠組みの構築は、新戦略に盛り込まれなかった。
地域社会との協力では、先住民族との対話を強化し、自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意の原則を維持する。
EUは北極のパートナー諸国との政治協力の枠組み「北方近隣地域」を通じて、共同事業の開発や資金調達を進める。既存の北極評議会などを補完する位置付けだ。
重要インフラの保護と北極の監視を強化
海氷の後退で資源や航路へのアクセスが広がるなか、EUはロシアの軍事活動や中国の戦略的関心を背景に、安全保障を重視する姿勢を鮮明にした。
加盟国や北極のパートナーと協力し、NATOの取り組みを補完しながら、重要インフラの保護や北極での活動能力を強化する。
具体的には、北大西洋・北極の海底ケーブルの監視、保護、修理支援を担う「Arctic Cable Hub」の設立を支援する。これは海洋活動の監視や情報共有を進める「Maritime Security Hub」構想の第一段階となる。
2027年には、北極の状況把握と海洋監視能力を改善するため、専用の監視試行を実施する計画だ。
