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欧州連合(EU)の産業政策を巡り、域内産品を優先する「バイ・ヨーロピアン」構想にブレーキをかけたい国々が声を上げた。12月8日、チェコやフィンランドなど9加盟国が、ブリュッセルの競争力閣僚理事会に合わせ、価格高騰や供給網の混乱を懸念し、極めて慎重な検討を求める文書を共同提出した。
物価と選択肢に映る「欧州優先」の影
欧州委員会は、クリーンテックなど戦略分野の産業を支えるため、今後の法案で公共調達や補助金の条件として「欧州製」を優先する仕組みを盛り込む方向だ。狙いは、中国製を中心とする安価な輸入への依存を減らし、脱炭素投資と雇用を域内に引き留めることにある。
これに対し9カ国は、EU企業だけでは新興分野の需要を十分に満たせない現状で、広く欧州製を優先すれば、企業や消費者の選択肢が狭まり、価格上昇やイノベーションの停滞を招くと懸念する。複雑な製品で原産地を細かく証明させれば、事務負担が増え、中小企業ほど不利になるという見方も強い。
分断する加盟国、対中戦略との整合は
一方、フランスやドイツは長年、域内産業の保護強化を求めてきた。マクロン仏大統領は最近、習近平国家主席に貿易不均衡の是正を迫り、是正されなければ関税も辞さないと伝えたとされる。ドイツ政権も重要部品や公共調達では「欧州優先」を打ち出しており、産業の自立性を高める好機ととらえている。
今回名を連ねたのは、アイルランドやバルト3国、ポルトガルなど、貿易と投資に依存する比較的小規模で開放的な経済が中心だ。彼らは、欧州優先策が過度に広がれば投資が域外へ流出し、EU全体の競争力がそがれると危ぶむ。
文書は、価格や供給網、競争への影響を検証したうえで、代替手段がない戦略分野に限り、期間も区切って導入すべきだと求める。対中依存を減らすクリーン・インダストリアル・ディールや、国産比率を定める新法構想とも絡み合う中で、EUは単一市場の開放性と経済安全保障の折り合いをどう付けるかという難題に直面している。
参考・出典
- Nine EU nations urge extreme caution on 'Buy European' policies
- Nine EU nations urge extreme caution on 'Buy European' policies
- Clean Industrial Deal
- Competitiveness Council (Internal market and industry), 8 December 2025
- Parliamentary question | Local content in the Clean Industrial Deal | E-002005/2025 | European Parliament
- EU to delay proposals on carbon border tariff, auto industry, draft document shows
