欧州委セジュルネ上級副委員長 重要鉱物の中央調達で米の囲い込み防止を提案

重要鉱物をEUが共同調達へ 資源競争で主導権狙う新戦略

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EU欧州委で産業戦略を担うステファヌ・セジュルネ上級副委員長が、重要鉱物を巡る世界の争奪戦に神経をとがらせている。19日に英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューで、EUが加盟国の需要を束ねて調達と備蓄を行う中央機関を設け、米国が欧州の目前で資源を囲い込むのを防ぐ構想を明らかにした。防衛やクリーン技術を支える鉱物を巡り、EUが後れを取るとの危機感がにじむ。

米中の綱引きの中で資源を守るEU

セジュルネ氏はインタビューで、電気自動車のモーターやミサイル、風力発電機などに不可欠なレアアース(希土類)を巡る米中の対立を指し示し、EUがその「巻き添え」を受けていると語った。輸出規制や補助金競争が進む中、欧州企業は価格高騰や供給不安にさらされ、投資判断が難しくなっている。

EUはこうした脆弱性を意識し、クリティカル・ロー・マテリアルズ法(Critical Raw Materials Act、CRMA)で、2030年までに重要鉱物の需要の一部を域内の採掘10%、加工40%、リサイクル25%で賄う目標を掲げている。だが現在は、多くの鉱物で中国など少数の国への依存が大きく、例えばレアアース磁石の消費の9割以上を中国からの輸入に頼っているとされる。

さらに、マグネシウムやコバルトなど17種類の戦略的原料の多くでも、採掘や精製工程の大半がEU外に集中しているとの分析もある。 セジュルネ氏の発言には、米国と中国が自国優先で長期契約や投資を進める中、このままでは欧州産業が必要な材料を確保できないのではないかという焦りがにじむ。

日本式モデルにならう共同購入と備蓄

欧州委はすでに「RESourceEU」と呼ばれる計画の下で、供給国の多様化やリサイクル強化を進めているが、今回セジュルネ氏が語った中央機関は、その一段の強化策と位置づけられる。加盟国と企業の需要を集約して一括で購入し、戦略備蓄も管理することで、価格交渉力を高める狙いだ。新型コロナ禍でワクチンを共同調達した仕組みを資源分野に広げる発想でもある。

こうした共同購入センターが動き出せば、バッテリー向けリチウムやニッケル、軍事用途のタングステンなどについて、EUとして長期契約を結びやすくなる可能性がある。一方で、資源国との関係では、EU側が調達を独占したり、環境や人権基準を一方的に押し付けたりしない仕組み作りが問われる。欧州委は「互恵的なパートナーシップ」を掲げ、第三国での採掘・精錬プロジェクトを支援する方針も示している。

供給の安定を優先すれば、鉱山開発の加速や備蓄の積み増しなど、環境負荷や財政負担の議論も避けられない。セジュルネ氏の構想が実現しても、企業が実際にどこまで共同調達を利用するか、国家安全保障と市場原理のバランスをどう取るかは、これからの政治判断に委ねられている。

静かに進む資源の争奪戦の先に、欧州の産業と暮らしがどのような形で守られるのかが問われている。

参考・出典

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