EU、米軍のベネズエラ・マドゥロ拘束を批判 カラスEU外相の声明は26カ国支持

EUが米国の対ベネズエラ武力行使に懸念表明、国際法順守を要求

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欧州連合(EU)は、米軍がベネズエラで武力行動に踏み切りマドゥロ大統領を拘束したことを受け、国際法順守を前面に出して米国に釘を刺した。2026年1月4日時点で、カラス外務・安全保障政策上級代表(外相)が出した声明は加盟27カ国のうち26カ国が支持し、ハンガリーのみが加わらなかった。焦点は「麻薬対策」そのものではなく、手段としての武力行使の是非に移っている。

「目的の共有」と「やり方の線引き」

声明は、米国が作戦の理由に挙げた麻薬・組織犯罪対策について、EUも優先事項として共有するとした。その一方で、国連憲章を含む国際法、領土の保全、国家主権を全面的に尊重し、持続的な協力で取り組むべきだと述べ、武力による手法を事実上否定した。ベネズエラの政権移行についても、同国の主権を尊重し、ベネズエラの人々が将来を決める権利に沿う形で進めるよう求めた。

現場レベルでは、情勢不安定化が先に立つ。声明は「全ての関係者」に対し、エスカレーション回避と平和的解決のための自制を要請し、人権と国際人道法の順守も強調した。実務面では、在カラカスのEU関係者が自国民の安全確保に当たるとし、拘束者が出ている場合の領事支援にも触れた。短期的には、政治的正当性の議論と治安・退避対応が同時進行する局面になる。

ハンガリー不参加が映すEUの足並みと対米関係

今回の声明が「EUとしての総意」ではなく、26カ国の支持を得た形になった点は重い。外交案件で全会一致が求められるEUでは、1カ国の不同意がメッセージの統一感を弱める一方、残る国々が国際法を旗印に線引きを試みたとも言える。声明は、EUが米国や地域・国際的なパートナーと緊密に連絡を取っているとも明記し、対立の先鋭化は避けつつも、武力行使の既成事実化を追認しない姿勢をにじませた。

論点整理をすると、EUはマドゥロ氏の統治の正当性には批判的でありながら、主権侵害を伴う「外からの政権交代」には距離を置く構えだ。この二つを同時に掲げると、移行プロセスの「誰が主導権を持つか」が争点として残る。実際、スペインのサンチェス首相は米国の行動を国際法違反だとして強く非難したとReutersが伝えており、欧州内でも表現の強弱は出ている。EUが今後、対米協調と国際法の原則をどう両立させるかは、各国の国内政治も絡むテーマになる。

参考・出典

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