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米連邦政府は2025年10月1日、トランプ政権の下で新会計年度入りと同時に一部閉鎖に入った。下院がつなぎ予算を可決した一方で上院が否決し、歳出の期限が切れたためだ。OMBは各省庁に運営指針を発出し、公共サービスや統計の公表に影響が及ぶ恐れがある。
始まった閉鎖と手続きの流れ
下院は9月19日につなぎ予算案を可決した。賛成217、反対212の僅差で、当面の行政機能を維持するための措置だった。法案は本予算成立までの橋渡しとして設計され、早期の妥結を促す狙いがあった。
同法案は政府資金を11月下旬まで延長する内容だったが、上院では可決に必要な票が集まらなかった。採決は44対48で不成立となり、協議の溝が埋まらないまま締め切りを迎えた。
期限切れが確定すると、OMBは2025年10月1日付で各省庁に運営の在り方を示すメモランダムを出した。閉鎖手続きの開始や不可欠業務の定義が整理され、現場は最小限の体制へ移行した。
何が止まり、何が続くのか
不可欠とされる安全保障、航空交通管制、刑務、送電などの機能は継続する。一方で公園の入場や博物館の窓口、研究助成の審査、各種許認可の処理は停止や遅延が広がる見通しだ。
給与を伴う職務でも、根拠法が切れれば一時帰休の対象になる。再開後に未払い賃金が遡及支給されるのが通例だが、休業期間に失われる生産や来訪者対応は取り戻しにくい。
社会保障や医療保険などの法定給付は別枠で続く。食料支援の支払いも継続し、家計への直撃を緩和する。ただし事務処理の遅れは起こり得るため、利用者は通知に注意が必要だ。
経済と市場への波紋
閉鎖が短期で終われば影響の多くは後ずれにとどまる。だが長引けば観光や公共調達に波及し、小規模事業者の資金繰りを圧迫する。市場では不確実性が高まり、価格の振れが増す。
過去には2018年から2019年に及んだ部分閉鎖があった。議会予算局の推計では生産減少分110億ドルのうち約30億ドルが回復しなかった。この経験は長期化の損失の大きさを示す。
今後は与野党の歩み寄り次第で道筋が変わる。より短い期限の暫定案で時間を稼ぐか、個別歳出法案の合意を急ぐかが焦点だ。期間や規模の設定が、景気と行政の両立を左右する。
