本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。[続きを表示]ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。[私たちの取り組み]
首都圏で相次いだ強盗事件で、実行役として逮捕された38人のうち、報酬を受け取れたのはごく一部の数人にすぎないことが、7日、捜査関係者の話として報じられた。報酬を条件にしたとみられる犯行指示と、実際に手元に残るわずかな金額。その落差は、誰がどこまでリスクを背負わされているのかという問いを突きつけている。
高リスク低リターンの実行役という現実
首都圏で連続した強盗事件に関わったとされる実行役38人のうち、報酬を受け取れたのは数人だけだった。危険な役割を担いながら、ほとんどの参加者には金銭的な見返りがないという構図だ。こうした事例は、犯罪グループの末端にいる人ほど、逮捕や損害賠償といった重いリスクだけを背負わされやすいことを示している。
近年問題になっている、SNSなどで実行役を募る「闇バイト」型の犯罪でも、約束された額よりはるかに少ない報酬しか支払われないケースが各紙で報じられてきた。高額なアルバイトをうたう匿名の募集に応じるのは、生活の行き詰まりや借金などを抱える若者が少なくないとされる。十分な説明もないまま危険な役目を引き受け、逮捕後に自らの立場の弱さを実感する人もいる。
一方、被害に遭った住民や店舗から見れば、命や生活を脅かされた結果が「実行役もほとんど何も得ていない」という事実だと知ることは、別の不安を呼び起こす。犯行指示役が姿を見せないまま、代わりに使い捨てにされる人が次々と送り込まれるのではないかという懸念である。逮捕された本人だけでなく、家族の生活や将来も巻き込む重い代償に比べ、目先のわずかな報酬はあまりにも釣り合わない。
指示役の匿名化と捜査が追う「搾取の構図」
法務省の犯罪白書や警察庁の統計をもとにした各メディアの分析では、SNS上で「仕事」を装って人を集め、実行役だけを頻繁に入れ替える匿名の犯罪グループが問題視されている。全国では2023年に強盗事件が1300件超発生したとされ、背景の一つとして、こうした闇バイト型の手口が挙げられている。報酬を絞り込み、資金や指示の流れを複雑にすることで、上位の指示役ほど責任追及から逃れやすくなるとの指摘もある。
検察庁や警視庁などは、犯罪情勢の分析とあわせて、SNS事業者への要請や金融機関との連携を強め、実行役を生み出す土壌を減らそうとしている。とはいえ、目の前の生活に追われる人ほど、危険性を十分理解しないまま誘いに乗ってしまう構造は根強い。今回明らかになった「報酬はほとんど届かない」という事実は、高リスクの役割が社会のどこに押しつけられているのかを問い直す材料でもある。
