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内閣府は12月16日、安全保障上重要な施設周辺などでの外国人による土地・建物取得の調査結果(2024年度)を公表した。東京都新宿区の防衛省市ケ谷庁舎周辺では309件に上り、区域内取引の9.4%を占めたという。自衛隊の指揮中枢に当たる場所でありながら、売買時の事前届出を義務付ける「特別注視区域」ではない点が、制度の“穴”として改めて議論を呼んでいる。
市ケ谷周辺で何が起きているのか
市ケ谷庁舎周辺の309件は、数字だけ見れば都心の不動産取引の一部にすぎない。ただ、内訳で約半数が中国系とされ、売買が日常的に発生する都市部ほど、取得者の属性が見えにくい構図が浮かぶ。政府の同年度調査では、重要施設周辺など583区域の取引総数は113,827件で、外国人・外国法人の取得は3,498件(3.1%)だった。
重要なのは、取得が直ちに危険行為を意味するわけではない点だ。政府は同年度も、重要施設の機能を損なう「阻害行為」は確認されなかったとしている。一方で、都心のマンションや収益物件が取引の中心になりやすい以上、生活圏と安全保障拠点が重なる場所では、取引の透明性そのものが安心感を左右する。監視の枠組みがあっても、住民側の体感は別問題として残る。
「注視」と「特別注視」の線引きが問われる
重要土地等調査法は、重要施設の周囲おおむね1kmなどを「注視区域」または「特別注視区域」に指定し、国が利用実態を調べる仕組みだ。特別注視区域になると、売買時の事前届出が求められ、取引の入口で情報を把握しやすくなる。新宿区は、市ケ谷庁舎周辺が注視区域に指定された経緯と範囲を公表しているが、届出義務までは踏み込んでいない。
都市部で届出を強めれば、市場の負担や取引への影響も大きくなる。しんぶん赤旗は2023年9月の記事で、内閣府が人口集中地区などを踏まえて特別注視を避ける考えを示したと伝えた。足元では制度を“区域ごと”に積み上げるだけでなく、Reutersやテレビ朝日が伝えたように、外国人の不動産取得をより広く把握するための報告制度拡充も俎上にある。市ケ谷の309件は、監視と経済活動の境界線をどこに引くのかという問いを、都心で突きつけている。
