グリーンピースが記録、フランスが再処理ウランをロシアへ輸出

フランス、再処理ウランをロシアへ輸出 戦時下で倫理性に再び疑問の声

本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。[私たちの取り組み]

クレーンの音に合わせ、放射性物質のラベルを貼ったコンテナが次々と甲板へ移される。15日、仏北部ダンケルクの岸壁で、グリーンピースのメンバーがその一部始終を記録した。翌16日、同団体は「フランスが再処理ウランをロシアに輸出し、再利用可能にしている」と発表。違法ではないが「非道徳的だ」とする批判は、戦時下の原子力取引をめぐる論点をあらためて浮かび上がらせた。

ダンケルクで動いた貨物

同団体によれば、撮影は15日に行われ、約10個のコンテナがパナマ船籍の貨物船へと積み込まれたという。行き先はロシアのサンクトペテルブルクとされ、通常は濃縮ウランや天然ウランの輸送に使われる船が、今回は再処理ウランを載せたと主張している。今回の種類の積み荷が確認されたのは約3年ぶりだといい、継続してきた監視活動の中でも注目度の高い動きになった。

団体のキャンペーナー、ポリーヌ・ボワイエ氏は16日、「違法ではありませんが、非道徳的です」と語り、国営原子力企業ロスアトムと結ぶ契約の終了をフランス側に促した。声明の根拠は現場観察と取材に基づくとしているが、積み荷の詳細や数量は公的機関から即時に確認されたわけではない。現時点で確認されている範囲では、同団体の指摘が世論の出発点になっている。

合法と非道徳のはざまで

原子力分野は多くの対露制裁の枠外にあり、取引自体は各国の規制に適合すれば合法とされる。一方、侵攻開始後も続く往来は是か非かという倫理の議題を伴う。フランス電力(EDF)は2018年、ロスアトム傘下のテネックス(Tenex、核燃料事業を担う子会社)と再処理ウランに関する長期契約を締結しており、燃料供給の多角化や経済性向上を狙ってきた経緯がある。

グリーンピースは、22年以降も対露の核関連商流が続いたと指摘し、透明性の不足を問題視してきた。過去の輸送では、仏側から搬出された再処理ウランが海路でサンクトペテルブルクに入り、内陸の施設へ鉄道で運ばれる流れが確認されている。今回の貨物も同様の工程に乗る可能性があるが、当局や企業の詳細説明はこれからだ。合法性と倫理性の狭間で、説明責任の重さだけが増している。

再処理ウランとは

再処理ウラン(使用済み燃料から取り出したウラン、URT)は、化学処理で回収後に転換・再濃縮を経れば再び燃料として用い得るとされる。もっとも、転換や再濃縮の実施体制は限られ、実用規模で担える設備がロシアに集中してきた経緯がある。フランスの一部原発は再濃縮済みのURTを使える設計だが、再利用の比率は技術・経済・規制の条件に左右され、安定的なサイクル確立は課題が残る。

国際市場でウラン価格が高止まりする局面では、既存資源を生かす再処理の経済的な意味が増すとの見方がある。一方で、輸送・加工の過程で環境負荷や安全確保のコストが膨らむ点、相手国の施設に依存する地政学リスクは避けがたい。だからこそ、今回のような具体的な輸送の積み重ねが、政策判断と産業構造の再点検を促している。岸壁で動いたクレーンの軌跡は、小さくても長い影を落としている。

ニュースはAIで深化する—。日々の出来事を深掘りし、次の時代を考える視点をお届けします。

本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。
ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、
実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。
[私たちの取り組み]