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兵庫県警の警察官9人が、オンラインカジノで金銭を賭けた疑いで書類送検された。捜査関係者によると、同じ職場で顔を合わせていた若手が複数のグループに分かれて関与し、県警は懲戒処分とする方針だ。違法性の周知が進む一方、組織の「身内の規律」はどこまで追いつけるのかが問われる。
同じ職場のつながりが、行為を「日常」にしてしまう
書類送検されたのは巡査部長以下の9人で、生田署で同時期に勤務していた6人と、機動捜査隊で同僚だった3人だという。一部はすでに異動していたともされる。県警保安課が賭博容疑などで手続きを進めた点は、内部の不祥事としてだけでなく、取り締まる側の逸脱として重い。
オンラインカジノはスマホで完結し、誘いも会話もオンラインで済む。だからこそ、職場の仲間内で「やってみた」が連鎖すると、違法行為が短期間で習慣化しやすい。捜査や被害相談の最前線に立つ警察官が賭博に関われば、現場での注意喚起そのものの説得力が揺らぐ。
「国内から賭ければ犯罪」へ、社会全体が軸足を移している
オンラインカジノは、海外で運営されるサイトでも日本国内から賭ければ賭博罪に問われ得ると整理されている。政府広報オンラインも、国内からの利用が犯罪になり、検挙例が出ていると説明する。実際、オンライン賭博を理由に警察官が書類送検や懲戒処分となる事案も各地で報じられてきた。
さらに規制の裾野は、利用者だけでなく周辺行為にも広がっている。金融庁は2025年5月、警察庁とともに業界団体へ、資金移動などを通じた賭博事犯や詐欺被害を防ぐ対応を要請した。処分は個々の責任を問う一方で、再発防止には「誘導」「決済」「宣伝」を断つ設計と、組織内教育の実効性がカギになりそうだ。
