本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。[続きを表示]ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。[私たちの取り組み]
ホワイトハウスでの会談を前に、サウジアラビアのムハンマド皇太子のもとへ、一通の書簡が届けられた。差出人はイランのペゼシュキアン大統領である。そこには、米国との核協議を再び動かしたいという切実な願いが託されていた。イスラエルによる核施設空爆の再発や悪化する経済への不安を背景に、イランが宿敵に近い隣国へ静かに助けを求めた格好だ。
イランが託した書簡とサウジの役割
イランとサウジ両国のメディアによれば、この書簡はムハンマド皇太子の訪米前日の2025年11月17日に送られたと報じられている。事情を知る関係者によると、ペゼシュキアン大統領は、イランは衝突を望まず周辺国との協調を深めたいと強調しつつ、イランの権利が尊重されるなら外交交渉で核問題を解決する用意があると伝えたという。さらに、米国が核協議再開に応じるようサウジから働きかけてほしいとの要請も盛り込まれていた。
イランと米国の協議は、2025年6月にイスラエルと米軍がイランの核施設を攻撃して以降、再開されていないとされる。制裁と物価高で国民生活が厳しさを増すなか、テヘランはオマーンやカタール経由の裏ルートだけでは限界があるとみて、ワシントンに直接影響力を持つサウジを新たな仲介役として選んだ形だ。元イラン外交官は、この選択は現状で取り得る最も現実的な戦略判断だと指摘し、軍事衝突を避けたいという利害はリヤドとも共有されているとみる。
止まった核協議と変わる仲介地図
サウジがイランと米国の間に割って入ろうとする動きは、今回が初めてではない。中東の報道では、ムハンマド皇太子はトランプ大統領との近しい関係をテコに、失速したイラン核合意の再交渉を取り持つ意欲を示してきたとされる。また2025年4月には、ペゼシュキアン大統領と皇太子が電話協議を行い、イランは核エネルギーの軍事利用は安保政策に含まれないとしつつ、国際的な査察の下での活動継続と対話の用意を伝えたと報じられた。2015年の核合意(包括的共同行動計画)は米国の離脱で揺らぎ、その空白をどう埋めるかが改めて問われている。
一方で、テヘラン内部の足並みはそろっていない。最高指導者ハメネイ師はこれまでも、米国との交渉は問題解決に結び付かないと繰り返してきたと伝えられる。それでも選挙で対外融和を掲げたペゼシュキアン氏は、制裁緩和と緊張緩和の道を模索せざるをえない。トランプ大統領は直接対話を好む姿勢を見せるが、イスラエルによる攻撃が続けば、誤算から軍事衝突に発展するリスクは残る。仲介の地図が変わる今、サウジがどこまで緊張緩和に実効的な役割を果たせるかが問われている。
ワシントン行きの機上で皇太子の手元にある一通の書簡は、砲声と制裁のはざまで揺れる湾岸の均衡が、まだ細い対話の糸に支えられていることを物語っている。
