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インドネシアの首都ジャカルタ中心部のオフィスビルで12月9日昼ごろ火災が起き、警察は少なくとも20人の死亡を確認した。火は7階建てビルの1階から上層階へ燃え広がり、消火後も建物内での捜索と冷却作業が続いている。昼休み中のオフィスを襲った事故は、なぜこれほど多くの犠牲を生んだのか。
昼休みのオフィスを襲った急激な延焼
現地当局の説明では、火災はジャカルタ中心部ケマヨラン地区の7階建て商業ビル1階で発生した。ドローン関連機器を保管するエリア付近でバッテリーが発火した可能性があり、発生源近くの倉庫から階段室や換気ダクトを通じて、短時間で上層階に煙と熱が広がったとみられている。
出火した時間帯、多くの従業員は昼休み中で、社内の休憩スペースで食事をしていた人もいれば外に出ていた人もいた。地元メディアによれば、特に6階付近は煙が濃く、消防隊が酸素補助装置を使いながら捜索するほど視界が悪かったという。一部の人は窓から設置された簡易はしごで救出されたが、廊下や階段で煙に巻かれた犠牲者も多く、避難経路や非常口の表示が十分だったのか疑問の声が出ている。
日系ドローン企業拠点の被災と残された課題
このビルには、産業向けドローンを提供する日本企業Terra Drone Corporationの現地子会社テラ・ドローン・インドネシアのオフィスが入居していた。警察は、犠牲者は当初少なくとも20人で、多くが煙を吸い込んで倒れたとみている。その後の集計では死者は22人に増え、女性が多数を占め、妊婦も含まれていたと伝えられており、被害の全容はいまも明らかになりつつある段階だ。
在インドネシア日本大使館は、日本人の死傷者は確認されていないとしつつ、情報収集と企業への連絡を急いでいる。警察と消防は、バッテリーや電気設備に不具合がなかったか、ビル管理者や入居企業が避難訓練や設備投資をどこまで行っていたかを調べており、所有者や運営側からの事情聴取も進める方針だ。専門家や地元報道からは、機器や人が高密度に集まる都市型オフィスが増える中で、避難ルートの確保や煙対策を含む防災基準をどこまで厳格に適用できるかが、今回の火災が投げかけた大きな課題だとの指摘が出ている。
参考・出典
- Kebakaran Gedung Terra Drone: Korban Tewas 20 Orang, Evakuasi Sulit di Lantai 6
- Kebakaran Ruko Terra Drone, Polri: 20 Orang Meninggal Diduga karena Lemas
- Pramono Soroti Ketidaksiapan Jalur Evakuasi di Gedung Terra Drone, Jakpus
- Terra Drone Building fire – Wikipedia
- 20 Killed In Fire In Seven-Story Building In Indonesia’s Capital Jakarta
