カスハラ対策、企業の29.7%が未着手 帝国データバンク調査で規模間の備えに差

カスハラ対策、企業の29.7%が未着手 帝国データバンク調査で規模間の備えに差

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帝国データバンクが2026年10月26日に公表した調査で、調査時点から直近1年以内に、自社や従業員がカスタマーハラスメント(カスハラ)や不当な要求を受けたと回答した企業は15.3%だった。防止措置の義務化直前に実施した調査では、対応策を実施または予定している企業が68.9%を占める一方、「特に取り組んでいない」とした企業も29.7%あった。

被害の回答割合はほぼ横ばい、規模や業界で差

調査は2026年9月14~30日、全国2万2,095社を対象にインターネットで実施した。有効回答は1万235社で、回答率は46.3%だった。被害が「ある」と回答した割合は、2024年6月調査の15.7%から0.4ポイント低下した。帝国データバンクは、大きな変化はないと整理している。

規模別では、大企業が23.9%だったのに対し、中小企業は13.8%、そのうち小規模企業は12.3%だった。業界別では、小売が31.1%、金融が26.8%、不動産が21.4%、サービスが20.3%となった。

この数値は、被害を受けたと回答した企業の割合を示す。帝国データバンクは、大企業では顧客との接点が多いことに加え、相談窓口や報告体制を通じて事案を把握しやすいことも、回答割合に影響する可能性があると指摘している。

方針の周知や相談窓口の整備、予定も含めた備え

対応策の内容を複数回答で尋ねたところ、従業員への方針・対応ルールの周知が37.8%、カスハラを容認しない方針の策定が28.6%、相談・通報窓口の設置が27.2%だった。いずれも予定を含む集計だ。

備えにも企業規模による差がある。何らかの取り組みを実施または予定している割合は、大企業で82.6%、中小企業で66.5%だった。相談・通報窓口を設置している、または設置を予定している割合は、それぞれ51.7%、23.0%だった。再発防止策を挙げた企業は全体の8.1%で、直近1年に被害があると回答した企業に限ると18.3%だった。

事業主にカスハラ防止措置を義務付ける制度は、調査終了後の2026年10月1日に施行された。今回の結果は、その直前の被害経験と対策状況を示している。

厚生労働省の説明では、制度上の「顧客等」には取引先の担当者も含まれ、電話やSNS上の言動も対象になり得る。判断に当たっては、顧客等の言動であること、社会通念上許容される範囲を超えること、就業環境が害されることの3要素が示されている。また、消費者の権利や障害者への合理的配慮にも留意するよう求めている。

参考・出典

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