本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。[続きを表示]ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。[私たちの取り組み]
政府は2025年12月24日、関係閣僚と民間有識者が参加する第2回「日本成長戦略会議」を開き、AIや半導体、造船など17の戦略分野と、規制改革など8つの分野横断課題を官民で詰める作業部会を2026年1月から立ち上げる方針を固めた。会議の数が増えるほど、現場には「いつまでに何を決めるのか」が見えにくくなる。今回は、春までに描くロードマップが、企業や研究現場にどんな宿題を投げるのかが焦点になる。
「来春までに道筋」を急ぐほど、企業は準備を迫られる
内閣官房によると、会議は2026年4～5月をめどに、投資促進や課題解決の具体策と目標を分野別に整理したロードマップをまとめ、2026年夏の成長戦略に反映させる構えだ。動きが速いのは追い風だが、裏を返せば企業側も、設備投資や人材確保の計画を「政策が固まってから」では間に合わせにくい。公募要件や支援条件が見えない段階から、社内の意思決定だけ先に進めざるを得ない局面が増える。
会議体は新設の作業部会・協議会などが計19に上り、既存の審議会も組み合わせる。大半の会議に民間有識者を加える方針で、17の戦略分野は官房副長官の尾崎正直氏をトップとする「戦略分野分科会」が上部で調整する。たとえばサプライチェーンの途切れやすさが残る中、調整役が増えることは、企業にとって「相談窓口が一本化されるかどうか」で体感が変わる。
会議を増やすだけで終わらせないための論点
分野横断課題では、規制緩和や政府指針の策定、支援策の見直しが俎上に載る。首相官邸が公表した当日の発言録では、投資の受け皿となる産業用地、ファイナンス、人材、データ、エネルギーといった基盤整備を挙げ、次期通常国会に向けて必要な法案準備を進めるよう求めた。つまりロードマップは「補助金の一覧」ではなく、投資が動けないボトルネックを外す工程表になれるかが問われる。
ただ、分科会や作業部会が多いほど、結論が平均化されやすい懸念もある。Newsweek Japanに配信されたReutersの記事では、分科会メンバー人選で若手や女性の起用を促す指示が紹介された。多様な視点を入れる試みは重要だが、同時に「誰が最終的に線を引くのか」を曖昧にしない設計が欠かせない。ロードマップの締め切りが近い分、会議体の増設が“議論の渋滞”にならないかが、春までの試金石になる。
