国際協力機構(JICA)がだいち4号でブラジル・アマゾンの違法伐採抑止

衛星で守るアマゾン JICAが「だいち4号」使った違法伐採対策をCOP30で発表

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大型モニターに映る樹冠の斑を指し示し、担当者が次の撮影機会を確認する。国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)の会場で、国際協力機構(JICA)がアマゾンの熱帯雨林保全を後押しする新たな協力計画を明かした。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の最新衛星「だいち4号(ALOS-4)」の観測情報を活用し、違法伐採の摘発と再生状況の把握を加速させる内容だ。違法伐採の抑止に向け、現場の判断を早める“時短の技術”が投入される。

衛星データで違法伐採の「現場」に近づく

今回の計画では、来夏の本格運用をめどに、JAXAのだいち4号が取得する観測データをJICA経由でブラジル側に提供する。現地で取締りを担う環境・再生可能天然資源院(IBAMA、ブラジルの環境当局)は、通報や巡回に先立つ優先順位付けに衛星情報を用いる。これにより、広域の警戒から現場介入までの時間差を縮め、違法伐採の痕跡を早期に押さえる狙いがある。

会場で示された運用像はシンプルだ。まず衛星で新たな林冠の欠落や道路の出現を検出する。つぎに当局が既存の土地台帳や許認可情報と突き合わせ、違法の疑いが高い地点を抽出する。最後に現地部隊がドローンやヘリで確認し、必要に応じて差し止めや機材押収に踏み込む。衛星を「一次通報役」とし、限られた人員を最も効果の高い場所へ振り向ける発想だ。

JICAは研究者や現場職員向けの研修も組み合わせる方針だ。衛星で荒廃地の回復度合いを追う新手法の開発に挑み、伐採後の管理や植林の効果測定にまで目を配る。COP30(国連の年次会合)で打ち出された保全資金の議論とも歩調を合わせ、摘発の「点」を回復の「線」に接続していく構えである。

だいち4号がもたらす更新速度と精度

だいち4号はLバンドSAR(合成開口レーダ)を搭載する地球観測衛星で、雲や煙を透過し、昼夜を問わず地表の変化をとらえる。熱帯域は雲量が多く、光学衛星だけでは観測の空白が生じやすい。レーダはこの弱点を埋め、道路開設や焼畑の拡大といった初動の微細な変化を連続的に追える。森林犯罪の採算は時間との勝負であり、観測間隔の短縮は抑止の実効性に直結する。

だいち4号は運用開始以降、感度や観測幅の柔軟な設定が特徴とされる。広域を粗く素早く走査し、異常を検知した箇所のみ高分解能で撮り直す運用が可能だ。これにより、日々の「見張り」と、摘発前の「証拠固め」を同じ衛星でつなげる。現場の判断材料が増えるほど、巡回ルートの最適化や燃料・人件費の削減につながり、結果として違法伐採のリスク・リターンのバランスを崩す効果が期待できる。

衛星の力は単独では完結しない。観測値を現地の地図、保護区の境界、伐採許可のデータベースに重ね、誤警報を抑える処理が欠かせない。JICAとJAXAはこれまでの実証で蓄積した判読ノウハウを移転し、IBAMAのアナリストが自ら閾値や警報条件を調整できる体制づくりを支える。装置の性能だけでなく「運用の作法」を現地に根づかせることが、継続的な抑止力になる。

既存連携の土台と地域に残る課題

今回の協力はゼロからではない。JICAとJAXAは、だいち2号(ALOS-2)の観測を用いた「JICA-JAXA熱帯林早期警戒システム(JJ-FAST)」を運用し、ブラジル各機関と違法伐採検知の実務を磨いてきた。2024年にはブラジリアで衛星データ活用のセミナーが開かれ、警察や森林サービスも交えた連携が拡張された。だいち4号はこの既存のワークフローに高頻度・高信頼の観測を重ねる役割を担う。

一方で課題は残る。森林減少は伐採だけでなく、火入れや道路建設、土地収奪といった行為の連鎖で進む。衛星は変化を示すが、原因や背景の特定には地域コミュニティとの対話や司法の関与が要る。COP30では自然保護への大型資金の動員が提案され、先住民族や地域社会への直接支援の重要性が強調された。衛星の「目」と資金・制度の「手」をそろえることが、持続的な成果につながる。

今回の計画は、検知から摘発、回復の評価までを一連で早回しする設計に特徴がある。速報性が高まれば、高値で木材を捌く前に押さえる機会が増え、違法伐採の収益モデルを揺さぶる。同時に、植生の回復過程を宇宙から可視化できれば、再生事業の費用対効果を客観的に示しやすくなる。数字と画像で「森が戻る」過程を共有できれば、地域の合意形成も進みやすいだろう。

参考・出典

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