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鹿島建設は10月29日、東京国際フォーラムで開かれた「GREEN×EXPO 2027 開催500日前記者発表会」で、2025年大阪・関西万博の大屋根リングに使われた木材を、横浜で行われる国際園芸博覧会の木造タワー「KAJIMA TREE(仮称)」に再生すると発表した。資源循環の象徴として、万博の記憶を次の舞台へ橋渡しする狙いがある。
木の輪がつなぐ記憶と未来
朝の光が差し込むガラスのホールに取材陣が集まり、記者発表会は10月29日 10:00に始まった。スクリーンに映し出されたのは、大地からすっと伸びる木の塔のイメージである。遠く大阪で生まれた木材が、横浜の会場で別の命を帯びるという物語が、会場のどよめきとともに立ち上がった。
鹿島が示したのは木造タワー「KAJIMA TREE(仮称)」である。「未来の都市づくりに向けた新たな風景」の象徴として会場のランドマークとなる計画だとし、展示物には大阪・関西万博の大屋根リングで使用された木材を活用する方針を明記した。万博の象徴が、横浜の景色を形づくる核になると映る。
同社は大屋根リング木材の契約候補者であることも注記し、現在は詳細設計を進めているとした。技術の詳細は発表可能な段階で公表するとしており、この日はイメージのみの提示にとどまったが、再利用材が新しい構造体に生まれ変わるプロセスへの期待が、会場の空気を温めていた。
木材の「次の価値」をどう生かすか
木材の再生は、単なるリサイクルではないと鹿島は示唆する。「脱炭素」「資源循環」「自然再興」の3要素を相乗させる「鹿島環境ビジョン2050plus」の理念を掲げ、使い終えた部材に次の価値を与え、社会へ戻す循環を可視化する狙いがある。素材の来歴を語る構造物は、来場者の記憶にも働きかける。
万博の会場を支えた部材には、多くの人が見上げた時間が刻まれている。だからこそ、来歴を伝えるデザインや施工の工夫が要となる。長さや断面が一定ではない木材を安全に組み上げるための選別・加工・接合、そして全体を支える構造解析の知見が問われ、技術の確かさが作品性を左右する。
発表では規模や諸元の詳細は明かされていないが、同社は「先端技術がこの木材に新たな命を吹き込む」としている。既存材の性能を読み解き、必要な補剛や防耐火の条件を満たしながら意匠性を担保する。循環を前提にした建設の設計思想が表舞台に出ることで、業界の意識変容も促すとみられる。
横浜で広がる風景とスケジュール
GREEN×EXPO 2027は横浜市で2027年3月19日〜9月26日に開催される。主催者は今回、出展概要の初公開や大型プロジェクト協賛の発表を行い、会期へ向けた機運を高めた。会場では公式アンバサダーの芦田愛菜が期待を語り、500日前の節目が次の準備段階へ踏み出す合図となった。
同日、公募型の参加プロジェクト「Blooming RING Action」の記念グラフィックも披露された。大阪から横浜へ受け継がれる“リング”の意匠を掲げ、応援の輪を広げる趣旨だ。素材の輪と人の輪が重なり、KAJIMA TREEを中心にした新しい風景が、市民参加型で立ち上がる構図が浮かぶ。
鹿島は、詳細設計の進捗に応じて技術情報を公表するとしている。具体的な諸元や完成時期は今後示される見通しだが、会場のランドマークを担う木造タワーに再利用材を据える判断は、建設産業の脱炭素化と資源循環の実装を加速させる象徴になると映る。次に開示される設計の中身に注目が集まる。
