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イスラエルのIsrael Katz国防相は12月23日、ガザからイスラエル軍が全面撤退することはないとの考えを示し、将来的な「再入植」を連想させる発言も行った。その数時間後、同氏の事務所は「再入植の意図はない」とする声明を出し、あくまで安全保障上の文脈だったと釈明した。発言の修正は、ガザの戦後像と占領下ヨルダン川西岸の入植拡大が、同じ政治空間で絡み合っている現実を浮かび上がらせた。
「再入植」発言が残した余韻と、急いだ釈明
Reutersによるとカッツ氏は23日、西岸のベイトエル入植地での式典で、ガザに「深く入っている」と述べ、完全撤退はないと強調した。同時に、同入植地で住宅1200戸の建設計画も表明し、軍と民間の結びつきが強い部隊「ナハル」を、ガザ北部に将来配置する構想に触れた。
ナハルは、兵役と開拓的な共同体づくりを結びつけてきた枠組みで、言葉の選び方次第で「入植地の復活」に聞こえやすい。こうした反応を受け、同氏側は「ガザに入植地を作る意図はない」と説明し、駐屯は治安目的に限るとの立場を示した。Ynetnewsは、説明が英語先行だったことも波紋を広げたと伝えた。
西岸の1200戸が示す「既成事実」の作り方
ただ、火消しが必要になったのは「ガザでの再入植」だけではない。ベイトエルでの1200戸計画は、占領地での居住拡大を進める姿勢を改めて印象づけた。西岸では、道路や警備、行政サービスが入植地を軸に整えられやすく、パレスチナ側の日常の移動や土地利用にも長期で影響が及びやすい。
Anadolu AgencyやAl Jazeeraは、今回の発言が米国の関与する停戦枠組みや、将来の統治設計をめぐる議論にとって不確実要因になり得る点を報じた。ガザに「戻らない」と言い直しても、軍の恒常的駐留を示唆する限り、住民にとっては復興や帰還の前提が揺れる。言い換えれば、言葉を引っ込めても、現場に残る選択肢の狭さは消えていない。
参考・出典
- Israeli defence minister vows military to remain in Gaza (Reuters)
- Israel will never fully withdraw from Gaza, defence minister says | Israel-Palestine conflict News | Al Jazeera
- Katz walks back Gaza outpost remarks within hours after US pressure
- Israeli defense minister vows no full withdrawal from Gaza, occupied Syrian territories
- משרד הביטחון – שר הביטחון ישראל כ"ץ ביקר בבקעת הירדן
