川崎重工 四脚オフロード機CORLEOを旗艦化、2035年投入目標

川崎重工が四脚ロボ乗り物を旗艦事業に 「CORLEO」2035年投入へ専任組織発足

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川崎重工業が、人がまたがって操る四脚型ロボットの乗り物を本格事業に育てようとしている。同社は12月3日、四脚型のオフロード用パーソナルモビリティー「CORLEO(コルレオ)」を2035年ごろの市場投入を目指す旗艦プロジェクトに据える方針と、社長直轄の専任開発組織の立ち上げを発表した。山岳レジャーや観光地での活用を想定するこの機体は、移動の楽しみ方をどう変えるのか。

山を“歩く”乗り物は、観光地の足になるか

CORLEOは、ライダーがまたがり体重移動で操縦する四脚型のモビリティだ。車輪ではなく脚で地面をとらえるため、岩場や土の斜面などの悪路を走ることを想定している。ロボット技術と二輪車のサスペンション技術を組み合わせ、後脚を独立して上下させて衝撃を抑える構造が特徴だ。

川崎重工は、この乗り物を新しいアウトドア体験として打ち出し、観光地の事業者やレジャー施設向けにBtoBで提供する計画だ。ツアーやアクティビティに組み込めば、徒歩や四輪車では行きにくい場所にも客を案内しやすくなる。高齢者や体力に不安がある人でも自然の奥まで楽しめる手段になりうる。

一方で、四脚ロボットが山道を行き交うようになれば、安全性や環境への影響も慎重に見極める必要がある。転倒時のリスク評価や、登山道・林道での走行ルールづくり、既存の登山客との共存など、検討すべき点は多い。自治体や地権者、観光事業者の合意形成が欠かせない。

四脚ロボ+シミュレーター、社長直轄プロジェクトの狙い

開発を担うのは、橋本康彦社長の直轄組織として新設される「SAFE ADVENTURE事業開発チーム」だ。ロボットとモーターサイクルの技術者を束ね、万博で披露したコンセプト機から、量産や保守まで視野に入れた商品仕様へと練り上げていく。乗車体験を再現するライディングシミュレーターの開発も並行して進める。

橋本社長は、2040年ごろにはシミュレーターを含む事業全体で少なくとも3000億円規模を狙えると見込む。四脚機体の販売に加え、運行管理サービスや体験施設向けシミュレーター提供など、ハードとサービスを組み合わせた収益モデルを描いている。長期の投資を前提に、継続的な利用料を積み上げる狙いだ。

動力源に水素エンジンを採用する構想は、同社が進める水素関連事業とも連動する。走行中に排出されるのは水のみとされ、自然豊かなエリアでの利用を想定しやすい。一方で、水素供給インフラや燃料コストの課題も残り、将来のエネルギー政策との整合を見ながら仕様を詰めていく必要がある。

リヤド万博から先へ、新しい「移動の楽しさ」を社会にどう組み込むか

川崎重工は、2030年にサウジアラビアのリヤドで予定される国際博覧会で、会場内モビリティとしてCORLEOを採用してもらうことも目指している。世界中から集まる来場者が砂漠気候の地で四脚ロボに乗れば、山岳観光に限らないオフロード移動手段としての存在感を示す機会になる。海外展開に向けたショーケースの役割も大きい。

万博での運用が実現すれば、多言語案内や遠隔監視、安全基準への適合といった課題に国際的な議論を通じて取り組める。そこで得た知見を生かし、山岳リゾートだけでなく農山村の移動支援や災害時の物資輸送など、実務的な用途へ広げるシナリオも描ける。ただし観光と業務利用では求められる信頼性やコストが異なり、機能の取捨選択が問われる。

四脚で大地を踏みしめる乗り物は、いまは万博会場や映像の中の存在にとどまる。ここから10年をかけて実際の観光地や地域社会に根付かせるには、技術だけでなく、走行ルールや料金体系といった社会の受け皿づくりが欠かせない。誰がどこまでのリスクと費用を負担するのかを見極めながら、新しい「移動の楽しさ」をどう組み込むかが試されている。

参考・出典

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