KDDI、5G SA一部基地局に低遅延技術L4S導入 北海道など6道県で開始

ゲームから産業利用まで影響 KDDIが低遅延技術「L4S」を全国展開へ

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2025年11月28日、KDDIは5G SAの一部基地局に低遅延通信技術「L4S」を国内で初めて導入した。北海道など6道県の限られたエリアから始まり、今後順次広げる方針だ。混雑時でも応答の速い通信を実現できれば、ゲームや映像、産業用途まで、5Gの「使い勝手」はどこまで変わるのか。

混雑しても“止まりにくい”通信へ 利用者の体感はどう変わるか

花火大会や大型ライブの会場周辺では、スマホがつながりにくくなる経験をした人も多いだろう。今回のL4S導入は、こうした混雑環境での遅延を抑える狙いがある。KDDIはまず5G SAの基地局の一部に適用し、北海道や首都圏など6道県で試験的に利用可能にした。

L4Sは「Low Latency, Low Loss, and Scalable Throughput」の略で、ネットワーク混雑を早めに検知し、その情報をアプリやサーバー側に伝える技術だ。サーバーは送信速度を細かく調整し、パケットが滞留する前に混雑を回避できる。KDDIが行った実証では、遅延がおおよそ50msから30ms程度まで縮まり、オンラインゲームで目安とされる30ms以下に近づいたという。

遅延が短く揺らぎも小さくなると、ビデオ通話の声がずれにくくなり、クラウドゲームの操作もより素早く反映される。ユーザー側で特別な設定をしなくても、対応した5G SAエリアにいれば自動的に恩恵を受けられる点も大きい。まずは都市部の屋外やイベント会場周辺などで、じわじわと体感の違いが現れてきそうだ。

標準化が進むL4S、なぜ今KDDIは動いたのか

L4Sは、移動通信の国際標準化団体3GPPが2024年6月に「5G Advanced」の一機能として採用した技術だ。現在の5Gをさらに進化させる位置づけで、速度だけでなく低遅延や多数同時接続を高めることを目的としている。KDDIはその要素の1つを先行してネットワークに取り込み、商用サービスでの検証を始めた形だ。

KDDIはこれまでもSub6帯の基地局を全国に展開し、4Gに依存しない5G SAを広げてきた。5G SAはコア設備から無線区間までを5G専用にするため、4G側の混雑に影響されにくい。ここにL4Sを重ねることで、単に「つながる」だけでなく、応答速度まで含めた品質で差別化しようとしている。AI処理をクラウド側で行うサービスの増加も、その背景にある。

海外では米T-Mobileが5GネットワークにL4Sを導入しており、The Vergeなどの報道ではクラウドゲームや高画質ビデオ会議での効果が紹介されている。日本でも同じ標準技術を使うことで、国内のアプリや機器メーカーが世界市場向けに開発しやすくなる。今回のKDDIの動きは、その受け皿となるインフラを先に整える試みともいえる。

産業利用とアプリ側の対応、残された課題

低遅延な5G SAとL4Sの組み合わせは、一般利用だけでなく産業用途でも期待されている。KDDIは、自動運転車やドローンの遠隔監視、工場やインフラ設備の遠隔操作など、リアルタイムな映像伝送が欠かせない場面での活用を想定する。映像が途切れず、指示が遅れないことは、安全性や作業効率に直結するためだ。

一方で、L4Sの効果を最大限引き出すには、アプリやクラウド側が新しい制御方式に対応する必要がある。サーバーソフトやゲームエンジン、配信プラットフォームなどが協調して最適化しなければ、ネットワークだけを高度化しても十分な成果は得られない。通信事業者とサービス事業者の連携が、これまで以上に重要になる局面だ。

また、都市部から導入が始まる以上、地方や屋内への展開時期や、ネットワーク投資の負担を誰がどこまで負うのかといった課題も残る。低遅延のインフラが整った先に、どの分野に優先的に投資し、どのサービス体験を磨いていくのか。今回のKDDIの一歩は、その選択を各プレーヤーに突きつける始まりでもある。

参考・出典

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