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小泉進次郎防衛相が2025年11月23日、日本最西端の与那国島で上地常夫町長と向き合った。中国の海洋進出や台湾情勢を背景に、自衛隊の防衛力と日米同盟の強化が欠かせないと語り、新たに計画されているミサイル部隊の配備への理解を重ねて求めたからだ。部隊配備が周辺の緊張を高めるのではないかという見方については、そうした指摘は当たらないと否定し、自ら島を訪れて説明に乗り出した形となった。
最前線の島で交差する抑止と緊張
面会後の取材で、小泉氏は台湾に近い与那国へのミサイル部隊配置計画について、地域の緊張を高めるとの見方は誤解だと説明した。中国の海洋進出が続く中、政府は南西諸島での自衛隊態勢を厚くすることで抑止力を高める方針を掲げており、その一環として与那国への部隊配備を進めている。台湾まで約110キロという地理的条件を持つ小さな島が、国の安全保障政策の最前線として位置づけられる現実が、あらためて浮かび上がった。
一方で、有事の際に与那国が果たす役割について問われると、小泉氏は台湾有事を前提にした仮定の質問には答えを控えると述べ、詳細な説明は避けた。直前には、高市早苗首相が国会で「台湾有事は日本の存立危機事態になり得る」と述べ、中国側が強く反発している。存立危機事態とは、日本の存続が脅かされる恐れがある場合に限定的な集団的自衛権の行使を認める枠組みであり、その言及は国会でも重い意味を持つ。そうした緊張感の中で交わされたやり取りは、島の名を越えて、周辺情勢の不安定さを映し出している。
「南西シフト」の象徴としての与那国島
与那国島は台湾から約110キロの海を隔てて向かい合い、自衛隊のいわゆる「南西シフト」と呼ばれる部隊再編の象徴的な場所になっている。2016年には陸上自衛隊の駐屯地が設けられ、沿岸監視などの任務が始まった。そこに新たに予定されているのが、03式中距離地対空誘導弾部隊だ。03式中距離地対空誘導弾(中SAM)は、航空機や弾道ミサイルを迎撃できる地対空ミサイルシステムで、島の防空能力を高める切り札とされる。政府は、本土から離れた島々に重層的な防衛網を築き、日米同盟とあわせて抑止力を整える構想を描いている。
小泉氏は今回の与那国訪問に先立ち、22日に宮古島市で嘉数登市長と会談し、防衛力強化への理解を求めた。23日午前には石垣島の陸上自衛隊駐屯地でミサイル部隊を視察し、隊員やその家族を激励している。防衛相就任後初めての沖縄訪問となった一連の行程は、南西諸島各地で進む部隊配備や装備強化の現状を自ら確認しつつ、地元首長の要望に耳を傾ける機会にもなった。自治体側からは避難施設整備や住民避難計画への支援を求める声が上がっており、国の安全保障政策と島の暮らしをどう両立させるかという課題が、より具体的な形で突き付けられている。
台湾まで約110キロの海を望む与那国島では、ミサイル部隊という言葉が、観光や漁業と並んで現実の話題として語られ始めている。静かな島の風景の背後で、国の防衛政策と住民の日常をつなぐ線は、目に見えないまま少しずつ濃さを増している。
