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資料束を抱えた議員が会議室に入っていく。自民党は2025年11月10日、メガソーラー(大規模太陽光発電所)を巡る初の合同会議を開き、年内に政府への提言を取りまとめる段取りを進めた。焦点は「規制緩和」ではなく「規制の適正化」。太陽光パネルの供給網が特定国に偏る現状も踏まえ、エネルギー安全保障(供給網の偏りに備える考え方)としての論点整理に踏み込む構えだ。
党内議論の焦点は「適正化」
合同会議では、小林政務調査会長が「規制緩和ありきではない」と強調した。許認可の抜けや地域ごとの差を埋め、乱開発や不適切な立地を避けるための枠組みづくりを優先するという合意が、議員間のやり取りからにじんだ。提言は年内にまとめる日程感で共有され、制度の全体像を見直す方針が確認された。
「適正化」の内訳として、立地の基準づくり、斜面や浸水想定箇所への安全対策、地域合意のプロセス明確化が挙がる。政府側でも11月4日に首相が関連規制の総点検に言及しており、党と政府の検討を連動させる段取りが想定される。会議体の立ち上げを起点に、既存制度の補修ではなく、継ぎ目の少ない運用へと重心が移りつつある。
供給網への視線も外さない。国内で流通する太陽光パネルの多くを中国製が占める現状を踏まえ、調達先の多様化や品質・持続可能性の基準づけを論点に据える意向だ。経済安全保障の観点で評価・監督の仕組みを整えれば、設備導入のスピードと信頼性の両立に近づく、という見立てが党内で広がっている。
現場から見える課題
議論の背景には、北海道の釧路湿原周辺などで顕在化した不安がある。景観や生態系への影響、土砂災害リスクへの懸念、工事手続きの不備といった指摘が相次ぎ、自治体が独自に規制や運用の強化へ動く例が広がった。国レベルのルールがばらつきを吸収し、行政と事業者、住民の「見取り図」を共有できるかが問われている。
一方で、脱炭素の主役のひとつである再生可能エネルギーの拡大は止められない。適地の活用や屋根置きの徹底、送電網の制約に配慮した出力制御の工夫など、現実解を積み上げることが重要だ。小林氏が「適正化」と表現したのは、成長を抑えるためでなく、乱れを整えて持続可能な増設につなぐ意図があるように映る。
これからの注目点は、線引きの明確さだ。どの規模から詳細な環境配慮を義務づけるか、地形や生態への影響評価をどう標準化するか、撤去・処分まで含めたライフサイクル管理を誰が担うか。党の提言は、自治体の条例や現行ガイドラインと噛み合う形で、実務が回る設計をどこまで描けるかが鍵となる。