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英ロンドンのサザーク刑事法院で2025年9月29日、中国籍の銭志敏がマネーロンダリング関連の罪を認めた。ロンドン警視庁は捜査で6万1000ビットコインを押収し、評価額は55億ポンド超。国際詐欺の収益の行方と被害回復の現実性が問われる局面だ。
押収の規模と捜査の出発点
ロンドン警視庁は、単独の押収としては世界最大級となる暗号資産を確保した。対象は6万1000ビットコインで、当局は評価額を55億ポンド超と説明する。桁外れの規模が、犯罪収益のデジタル移転の現実を生々しく映し出す。
捜査は2018年、犯罪資産の移転を巡る通報をきっかけに始動した。経済犯罪部門が主導し、7年にわたって国境をまたぐ関係者と情報を突き合わせた。膨大な押収機器や記録の解析が進む中で、資金の出所と流れが徐々に形を帯びた。
当局によれば、銭志敏は2014年から2017年にかけて中国で大規模な詐欺を主導し、12万8000人超の被害者から得た資金を暗号資産として保管した。英国内では不動産購入を通じて資金洗浄を図ったが、網は着実に狭まっていった。
法廷での認否と関与の構図
サザーク刑事法院では2025年9月29日、銭志敏が犯罪収益の取得および所持に関する罪を認めた。詐欺で得た暗号資産を犯罪収益と知りながら保有した点が焦点となり、英国の資金洗浄規制の適用が正面から問われた。
翌30日には、セン・ホク・リンが犯罪収益の移転に関与した罪を認めた。捜査は、同人の監視から銭の所在を突き止める手がかりを得たとされ、複数法域の協力で証拠の裏付けが積み上がった。
経済・サイバー犯罪対策部門の責任者ウィル・ラインは、前例の少ない規模と国際連携を強調した。現場を率いたイザベラ・グロット警部補も、被告が5年にわたり司法から逃れていた事情や、多数の文書精査を伴う捜査の困難を語った。政府の安全保障担当閣外相ダン・ジャーヴィスは、英国が犯罪者の「安全な避難所」ではないとのメッセージだと述べた。
資産回収と被害者救済の行方
量刑言い渡しは2025年11月10日からの2日間に予定されている。両被告は同じ法廷に出廷する見通しで、裁判所は犯罪収益の扱いと将来的な没収の枠組みを合わせて見極める段階に入る。
一部報道によれば、セン・ホク・リンから1620万ポンド超を回収する没収手続きが始動したという。金額は相場変動を踏まえ、量刑時に調整される可能性があると伝えられており、最終的な配分をめぐる判断が注目される。
また、押収資産の一部について政府が保持を目指す動きがあるとの指摘も出ている。近年の関連法改正で、当局が暗号資産を押収し凍結しやすくなったとされ、被害者の返還申請の道も広がりつつあるが、具体像は今後の判断に委ねられる。