ベラルーシ大統領ルカシェンコ、ベネズエラのマドゥロ退陣でミンスク受け入れ表明

ベラルーシのルカシェンコ氏、マドゥロ退陣なら移住受け入れ示唆

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ベラルーシのルカシェンコ大統領は2025年12月15日、ベネズエラのマドゥロ大統領が退陣する場合、首都ミンスクへの移住を受け入れる用意があると述べた。一方で、本人とその件を協議した事実はないとも明言した。発言は米ニュースマックスのインタビュー抜粋として、テレグラム上で紹介された。

「退任後の安全」をめぐる、言葉だけの“受け皿”

今回の発言は、政権交代の局面でしばしば俎上に載る「退任後の安全」を先回りして提示した形だ。亡命は、政治的理由で国外に退避し、滞在や身の安全の保護を求める行為を指す。ベネズエラの生活者への直接影響は限定的だが、もし権力中枢の離脱が連鎖するなら、交渉の選択肢が増える可能性もある。

テレグラムに載った抜粋では、両国が長年の関係にあることを強調し、マドゥロ氏を敵視しない姿勢をにじませた。ただ、受け入れの意思はあくまで「望むなら」という条件付きで、当事者間の調整が進んでいるとは言いにくい。言葉が先に出る局面ほど、どの国が何を保証するのかという線引きが次の争点になる。

友好の演出と、制裁下で膨らむ外交カード

ルカシェンコ氏の“受け入れ表明”は、ベネズエラへの連帯だけでなく、米欧に対する自国の立ち位置の誇示にも見える。ロイター通信は、発言がニュースマックスのインタビューで語られたことに加え、米国とベネズエラの緊張が高まる中で、ルカシェンコ氏が軍事的な圧力に否定的な見方を示したとも伝えた。

同時期にルカシェンコ氏は、西側との関係改善も探っている。AP通信は、政治犯釈放を含む対話を通じてベラルーシが西側との距離を測っている状況を報じた。

もし対立が軍事衝突に発展し原油供給が混乱した場合、エネルギー価格の変動が各国の物価に波及し得る。亡命カードが実務に進むのか、発信だけで終わるのかが、当面の見取り図を分ける。

参考・出典

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