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海鳴りのようなサイレンが沿岸に響き、車列がゆっくりと高台へ向かう。2025年10月10日、フィリピン南部ミンダナオ島沖でマグニチュード7.6の強い地震が発生し、同国各地とインドネシアで津波警報が発令された。局地的な海面上昇の恐れが出たことで、住民の避難が一気に進み、太平洋中央の監視網も緊張を強めている。
海沿いに広がる緊張、相次ぐ避難指示
浜に出ていた漁船が戻り、商店はシャッターを下ろす。現時点で確認されている範囲では、震源はミンダナオ島東岸の東ダバオ州マナイ沖とされ、揺れの直後から沿岸の防災無線や携帯の緊急通知が住民の足を高台へと向かわせた。都市部でもエレベーター停止や停電が点在し、夜間の道路には避難の車列が伸びたとみられる。
フィリピン火山地震研究所は、通常の潮位を超える海面変化の可能性を念頭に、特に中部から南部の沿岸で直ちに高台か内陸に移動するよう呼びかけている。沿岸の湾奥や河口ではわずかな水位上昇でも流速が増しやすく、港湾や防波堤周辺の滞留は危険度が高い。避難は徒歩を基本に、車両はやむを得ない場合に限るという周知も広がっている。
震源南方ではインドネシアの北スラウェシからパプアにかけても津波警報が出され、海岸から離れる動きが相次いだ。現地当局は小規模でも急激な潮位変化が起こり得るとして、釣りや見物のための接岸を避けるよう繰り返し注意を促している。一部報道によれば、周辺島しょ国でも監視体制が強められ、観測網の情報更新が続いている。
浅い震源が示す津波リスク、国際監視のまなざし
震源はフィリピン海プレートと周辺の複雑な沈み込み帯に位置し、震源の浅さが示唆されている。浅い断層運動は海底地形を動かしやすく、規模が同程度なら津波発生の確度が上がるのが一般的だ。現地からは建物のひび割れや棚の転倒が伝えられ、余震の可能性も残る。海岸に戻る判断は自治体の解除情報を待つのが安全だと映る。
太平洋津波警報センターや各国の津波警報機関は、潮位の観測値と震源解析を突き合わせながら予測を逐次更新している。地域によっては港内の共振や地形効果で予測を上回る揺り戻しが起きることがあり、第一波の大小に関わらず複数回の到達を前提に行動する必要がある。防潮堤の内側でも、河川遡上の可能性を見込んで橋や河口部を避ける判断が求められる。
フィリピンでは2025年9月30日にも中部セブ島沖でマグニチュード6.9の地震があった。揺れの記憶が新しいなかでの大規模地震は、人々の避難意識を一段と押し上げているとみられる。地震と津波は同時に終わらない。強い揺れの後は、情報の途切れを補うつもりでラジオや自治体の発信を重ねて確認し、家族の集合場所や連絡手段を改めてすり合わせたい。
