本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。[続きを表示]ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。[私たちの取り組み]
防衛省は2025年12月22日、長崎県長崎市の三菱重工業長崎造船所で、新型護衛艦「よしい」の命名式および進水式を実施した。2024年7月に起工した、もがみ型護衛艦の12番艦で、艦名は岡山県東部を流れる「吉井川」に由来する。旧日本海軍と海上自衛隊を通じて、この名が使われるのは初めてだ。
「よしい」という名がつなぐ、艦と土地の距離
命名式は、艦に「名前」を与える儀式である。艦名は運用が始まった後も、無線の呼び掛けや記録、乗員の胸章に刻まれ続ける。今回は「吉井川」から取られた「よしい」が選ばれ、これまでにない新しい名が艦隊に加わることになった。艦名に河川名などを採る慣例の中でも、初使用の名は、部隊の物語を一から積み上げていく余白を残す。
進水式は、船体が初めて水に浮かぶ節目だが、同時に「完成ではない」節目でもある。船体が海に出てからは、艤装工事や各種試験を経て部隊に引き渡される流れになる。海上自衛隊の公表資料では、本艦は2026年度の引き渡し予定とされており、式典後も現場の工程は続く。式典の短さと、その後に控える長い仕上げの時間の落差が、艦艇建造の現実を静かに映す。
量産が進むほど重くなる「持ちこたえる力」
「よしい」は、基準排水量3,900トン級の新型護衛艦として建造が進められてきた。公表されている要目では全長133.0m、幅16.3mで、コンパクトな船体とステルス性が特徴とされる。こうした艦は、いざという時の抑止だけでなく、平時の警戒監視や周辺海域での継続的な活動を支える「数」の一部にもなる。進水は、その数がまた1つ増える入口だ。
ただ、艦が増えるほど、運用側に求められるのは「建造する力」だけではなく「維持する力」になる。訓練の積み上げ、補給や整備の回し方、港に戻った後の点検の手順まで、日々の運用は地味な作業の連続だ。命名が川の名を借りるのは、艦が海にあってもなお、陸の支えと切り離せない存在だからだろう。進水で始まった「よしい」の時間は、艦隊の拡大と持続の両方をどう両立させるかという問いも連れてくる。
