モルドバ政府、キシナウでロシア大使に領空侵犯の無人機残骸を提示

モルドバ外務省前にロシア製無人機残骸 大使召喚で「領空侵犯」を可視化

※記事を視覚化したイメージであり、実際の事象とは異なります。

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大使館の玄関を出た男が、無骨な金属片の横を足早に通り過ぎた。2025年11月26日、モルドバの首都キシナウにある外務省前に、ロシア製とされる無人機の残骸が置かれたのだ。召喚を受けたロシア大使オレグ・オゼロフ氏に、政府は「領空侵犯」の現物を見せつける異例の演出で抗議したのである。

屋根に落ちたドローン、外務省前に

前日25日、ウクライナ国境に近いモルドバ北東部の村で、無人機が民家の屋根に落下した。政府によれば、この一夜で計6機のドローンがモルドバ領空を横切り、そのうち1機が屋根に乗ったまま見つかったという。外務省は「違法な領空侵犯」に関する抗議文書をロシア側に手渡し、「完全に容認できない主権侵害だ」と強調した。

外務省は、庁舎前に運び出した残骸のそばをオゼロフ氏が通り過ぎる様子を撮影し、赤い「Z」の印がついた機体とともにSNSで公開した。記者に問われた大使は、燃料切れの機体が屋根に落ちて何も壊さなかったことを挙げ、「これを信じるのか」と疑義を呈したうえで、両国関係は「すでに史上最低の水準にある」と語った。

積み重なる領空侵犯と冷えた外交

こうした無人機の侵入は、2022年に始まったロシアのウクライナ侵攻以降、モルドバで繰り返されてきた。2025年2月には南部の畑にロシア製とみられるドローンが落下し、爆発音が住民を震え上がらせたうえ、モルドバとルーマニアの両政府がロシア大使を同時に呼び出して抗議している。モルドバ政府は当時、ロシア文化センターの閉鎖方針も打ち出し、戦争への距離を明確にしようとしてきた。

ロシア語圏の影響力が強かった同国で、現在の政権はEU加盟路線を掲げ、ロシアの影響を弱めようとしている。2022年以降、ロシア大使館の外交官や職員を数十人規模で追放し、2025年春までに双方が互いの外交官を繰り返し退去させてきた。最近も政府はロシア文化センターを2026年夏までに閉鎖する法案を閣議決定し、オゼロフ氏は就任から1年以上経ってもサンドゥ大統領に信任状を正式に捧呈できていない。

周辺国も揺らす無人機、NATOの警戒

今回の無人機は、モルドバだけでなく隣国ルーマニアの緊張も高めた。25日にはロシアのドローンが同国の空域にも侵入し、これまでで最も奥深くまで入り込んだとされるコースを飛行したため、ルーマニア空軍のF16戦闘機とドイツ空軍のタイフーン戦闘機がスクランブル発進した。侵入機の1機は最終的にルーマニア国内で墜落し、NATOは域内防空体制の点検を急いでいる。

安価な無人機が国境をまたいで飛び込み、迎撃には高価な戦闘機やレーダー網が動員されるという非対称な状況は、モルドバやルーマニアに限らず欧州各国の悩みとなりつつある。今回、モルドバでは幸い大きな被害は出なかったが、住宅地の屋根に突如として軍事機器が現れた事実は消えない。外務省前に静かに置かれた金属片は、戦場の境界がどこまで曖昧になっているかを物語っている。

参考・出典

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