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日曜の夜、スマホの画面に「在庫を確認できない」という表示が広がった。良品計画は2025年10月20日、無印良品のオンラインショップ「無印良品ネットストア」の受注と出荷を、19日21時ごろから止めていると明らかにした。配送を委託する先で起きたサイバー攻撃の余波が、生活の細部にまで波紋を広げていると映る。
つながらない夜に起きたこと
19日21時ごろ、無印良品のネットストアで商品購入などができなくなった。20日になって良品計画は受注・出荷の停止を公表し、再開時期は未定とした。ネットストアは生活用品の在庫確認や価格比較の起点でもあるため、利用者は買い替えや補充の計画を立てられず、週明けの家事や仕事の段取りに小さくない影響が出ているとみられる。
停止の直接原因は、物流を担う委託先に生じたシステム障害である。良品計画は配送業務の一部をアスクル子会社のASKUL LOGISTに委ねており、そのサプライチェーンに発生したトラブルがネットストアの機能停止へ波及した。店舗の陳列棚が変わらず整っていても、裏側のデジタルな動脈が詰まればオンラインは止まる。そんな現在地が浮かぶ。
広がる影響と見えてきた構図
障害の震源とされるアスクルでは、ランサムウェア感染によるシステム障害が19日に判明し、法人向けの「ASKUL」「ソロエルアリーナ」、個人向けの「LOHACO」で受注・出荷を停止した。すでに受け付けた注文はキャンセルとする対応に踏み切り、復旧のめどは立っていない。外部からの攻撃が、受注から配送までの一連の業務を瞬時に鈍らせた構図が見える。
今回の無印良品の停止は、ECと物流が密接に結び付いた結果としての「連鎖」を示唆する。無印良品側は物流委託先の障害を理由にネットストア全体を止めざるを得なくなった。一方、アスクル側では複数サービスが同時停止となり、法人・個人の広い範囲で日常の購買行動が滞っている。複数事業者のシステムが重なり合うほど、1点の破綻が大きく映る現実がある。
復旧の見通しと利用者への手がかり
現時点で復旧時期は示されていない。良品計画はネットストアの停止を明らかにし、アスクルはランサムウェア感染への対応を続けている。無印良品のオンライン購入は当面できないため、必要な生活用品は店舗での代替や在庫のやりくりが現実的な選択肢となる。購入予定だった商品はリスト化しておき、再開時に迅速に手続きを進める備えが有効とみられる。
一方で、アスクルはシステム障害の影響を受けたサービスについて注文キャンセルの方針を示している。今後、再開手順や補償の詳細が示される可能性があるため、各社の公式「お知らせ」をこまめに確認したい。ECが社会のインフラに近づくほど、企業はバックアップと復旧の設計を、利用者は情報の受け取り方を更新していく必要があると感じられる。
