厚生労働省 国保年間上限を110万円に引き上げ、子ども軽減を高校生まで

国保保険料上限を110万円に 厚労省が来年度から引き上げ方針

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自営業者らが加入する国民健康保険の保険料について、厚生労働省が来年度から年間上限を110万円に引き上げる方針を固めた。あわせて、現在は未就学児に限られている保険料の軽減を高校生年代まで広げる制度改正を2027年度から実施する方向だ。医療費の増加が続くなか、高所得世帯には追加負担を求めつつ、子育て世帯や中所得層の家計をどう守るのかが問われている。

高所得世帯と子育て世帯、国保の負担はどう変わるか

国民健康保険は、市区町村が運営し、主に自営業者やフリーランス、無職の人などが加入する医療保険制度である。保険料は所得に応じて決まる「所得割」と、世帯の加入者1人ごとにかかる「均等割」などで構成される。厚生労働省はこのうち、全体の年間保険料に上限を設けており、来年度からその上限を110万円へ1万円引き上げることにしている。

上限額の引き上げによって追加の負担が生じるのは、比較的高い所得水準の世帯に限られる。一方で、多くの中所得層では、上限に届かない範囲で保険料が計算されるため、直ちに負担が増えるわけではない。高所得世帯により多く負担してもらうことで、保険財政を支えつつ、中間層の保険料水準を抑えたいというのが厚労省の基本的な狙いだ。

ただ、子どものいる世帯に目を向けると、所得水準だけでなく家族の人数も負担感を左右する。人数に応じてかかる均等割は、子どもが多いほど保険料が嵩みやすく、とりわけ自営業の子育て世帯にとっては重い固定費になりやすい。そこで政府は、現在は未就学児だけを対象としている保険料の軽減措置を、高校生年代まで広げる方針を打ち出した。

具体的には、高校生年代までの子どもについて、均等割の半分を公費で負担する設計とする。これにより、子どもの人数が多い世帯ほど保険料の軽減効果が大きくなる。対象となる子どもは全国で約180万人規模になる見通しで、保険料という毎月の支出を抑えるかたちで、学費や生活費に回せる余地を広げる狙いがある。一方で、高所得の子育て世帯では、上限額引き上げの影響と軽減措置の効果が交錯するなど、同じ子育て世帯の中でも負担の姿は一様ではない。

高齢化と医療費増、国保を巡る「負担の線引き」

背景には、日本全体で医療費が増え続けている現実がある。高齢化の進展に加え、高度な検査や治療が一般化したことで、1人あたりの医療費も膨らんできた。そのなかで、比較的所得の低い人が多いとされる国民健康保険の財政は、長年、国や自治体からの公費投入に支えられてきた。制度を持続させるには、「誰がどこまで負担するか」という線引きを繰り返し調整せざるをえない。

今回の見直しでは、まず高所得世帯に対して保険料の上限を引き上げることで、一定の追加財源を確保しようとしている。その一方で、子どもの均等割の半額を公費で肩代わりする措置は、保険料収入の減少を税財源で補う「負担の付け替え」でもある。保険料と税金のどちらで社会保障費を賄うのかという議論は、サラリーマンの健康保険や介護保険にも共通するテーマであり、国保だけの問題ではない。

子どもの保険料軽減が本格的に始まるのは2027年度と少し先で、それまでの間、自治体によっては独自の減免策を上乗せするかどうかを判断する必要がある。国の制度改正が進むにつれて、地域ごとのばらつきがどこまで許容されるのかも、今後の論点になりそうだ。高齢化と医療費増を前提とした社会のなかで、国保の負担をどう分かち合うのかという問いは、今回の上限引き上げと子育て支援の議論を超えて、静かに続いていく。

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