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イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が2025年9月27日(日本時間)、ニューヨークの国連総会で演説した。登壇の瞬間、各国の代表が次々と席を立ち、場内には空席が広がった。街へ目を移せば、タイムズスクエアから国連本部へ向けて抗議の列が延びる。首相は、相次ぐパレスチナ国家承認に真っ向から反論し、ガザでの作戦継続を誓った。
退席が相次いだ本会場、首相は「作戦をやり抜く」と強調
総会の壇上でネタニヤフ首相は、ガザでの軍事行動を「やり抜く」と明言し、二国家解決の枠組みを強く批判した。発言は過激な比喩を交えたものとなり、会場では多くの代表が静かに立ち上がって退席した一方、残った席からは拍手も起きるなど空気は二分された。首相は、イスラエルがジェノサイドを行っているとの非難を退け、住民に避難を促している点を挙げて反論した。演説は空席が目立つ広いホールで続いたが、語り口は終始ぶれず、敵対勢力の指導部に対しては「武装解除し、人質を解放せよ」と迫った。
さらに首相側は、演説の音声をガザの境界に設置したスピーカーで流し、同地の人々に直接届けたと説明した。携帯電話への同時配信については相反する報道もあり、実際の到達状況には揺れが残る。それでも首相は、残る人質の名前を読み上げ、彼らに向けて「忘れていない」と語りかける演出を重ねた。演台の前では視線を切らさず、視覚資料やコードを用いながら、国際社会の批判に臆さぬ姿勢を示した。
ニューヨークにあふれた声、タイムズスクエアから国連へ
演説と同じ頃、街では「パレスチナに自由を」と掲げた群衆が声を上げた。プラカードが高く掲げられ、ケフィーヤを巻いた参加者が目立つ。集会はタイムズスクエアから始まり、東へと列を伸ばして国連本部へ。沿道には警備線が張られ、交差点ごとに警察官が誘導に立つ。参加者は武器供与の停止や包囲の解除を訴え、ドラムの拍に合わせてコールを繰り返した。市内の交通は一部で滞り、足早に通り過ぎる人々の耳にも、連呼されるスローガンが届いた。会場の外で膨らんだ不満は、国連の中で交錯した賛否と呼応し、ネタニヤフ氏の訪米が街全体の空気を張り詰めさせた格好である。
集会の規模は大きく、主催者の合図に合わせて一団が東へ動き出すと、道路の雰囲気は一変した。ビルの谷間に響くのは、人道危機への危惧と停戦を求める声だ。参加者の中にはイスラエルの軍事行動を国際法の観点から批判する人、またガザの子どもたちの姿を描いたポスターを抱える人もいる。抗議の列は観光客のスマートフォンにも収まり、巨大な街頭ビジョンの光の下で、複雑な感情が縦横に交差した。
広がる国家承認の波と、硬化するイスラエルの立場
今回の演説を強く突き動かした背景には、パレスチナ国家承認の連鎖がある。今月下旬、英国やカナダ、オーストラリア、ポルトガルが相次いで承認を表明した。続いてフランスやベルギーなど欧州の複数国も追随し、国際政治の重心が一段と動いた格好である。首相はこれらの動きに矛先を向け、「誤った判断だ」と強く批判した。イスラエルに対する制裁や非難の声が高まるほど、同国は自衛権の正当性を前面に出して応酬する構図が際立っている。
具体的には、21日(現地)に英国、カナダ、オーストラリア、ポルトガルが足並みをそろえ、翌日にはフランスとベルギーが認めたと発表した国が出た。承認の条件や実施時期に含みを持たせた政府もあり、法的効力や大使館設置の扱いには差が残る。いずれにせよ、欧米の一角が動いた意味は重い。首相はこれを「テロを助長する」類の誤りと位置づけ、国連の場で正面から論戦を挑んだ。
一部報道では、国連加盟国のうちパレスチナを承認する国は150超に達したとされる。潮目が変わる中で、イスラエル政府は西岸の治安やガザの統治不在を理由に、承認の先行は「安全保障を危うくする」と訴える。会場を後にした代表団の静かな退席、街頭で膨らむ抗議のコール。その間に横たわるのは、停戦と人質解放、そして持続可能な統治をどう同時に実現するのかという難題である。国連総会の壇上で交わされた言葉は、いま中東を取り巻く選択の重さを、改めて突きつけた。