老朽空母の後継を正式化　フランス、新型空母PANG計画

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2025.12.22

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フランスのマクロン大統領は2025年12月21日、老朽化が進む原子力空母「シャルル・ドゴール」に代わる新型空母の建造方針を確認した。計画名は「Porte-Avions Nouvelle Génération（PANG）」で、費用は約102億5000万ユーロ。政府は2038年の就役と同時に、2001年就役の現行艦を退役させる想定だ。

「1隻体制」を続ける国の、時間との戦い

空母は「持つ」だけでなく「回す」ことが難しい装備だ。フランスは空母が実質1隻のため、定期整備や大規模改修のたびに艦載機運用が止まりうる。より大型で近代的な後継艦は魅力的でも、2038年という期日は、海上戦力の空白を生まないための綱渡りでもある。

時間を縮める決め手は、船体より前に動く「長納期の部品」だ。Naval Groupによれば、後継艦の原子炉など中核となる要素は、フランス装備総局DGAと原子力関連機関CEAの契約の下で、すでに2024年から作業が始まっている。現場の作業は、今後10年以上にわたる工程管理そのものが試される。

自立を掲げつつ、同盟国の技術も使う現実

新型艦は欧州最大級になる見通しで、フランス国防省は全長310m、排水量約7.8万t、電磁式カタパルトを備える構想を示している。艦載機は現行のRafale Mに加え、将来の「SCAF（次世代戦闘航空システム）」も視野に入る。つまり空母は、船そのものより「次の航空戦力」を運ぶ器として位置付けられている。

一方で、ReutersやAPは、電磁式の射出装置を米国から調達する計画にも触れていると伝えた。欧州の戦略的自立を語りながら、期限と性能のために同盟国の技術を組み込む。約102億5000万ユーロという巨額投資は、造船・原子力・中小企業の裾野を支える効果が期待される半面、財政制約のなかで何を優先するのかという国内の議論も残る。

「1隻体制」を続ける国の、時間との戦い

自立を掲げつつ、同盟国の技術も使う現実

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