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門の前で保護者たちが名前を呼び合い、子どもを強く抱きしめていた。ナイジェリア中部ナイジャ州アグワラ地区パピリのカトリック系セントメリーズ学校で、2025年11月21日未明、女子生徒215人と教師12人が武装集団に連れ去られた。計227人が姿を消した校舎には、治安への不安と怒りが重く漂っている。
女子生徒と教師227人が連れ去られた夜
襲撃が起きたのは21日午前1時から3時ごろとみられる。武装した男たちが校内に侵入し、寄宿舎から女子生徒を次々と連れ出した。カトリック教会とナイジェリア・キリスト教協会によると、拉致されたのは女子生徒215人と教師12人、計227人で、警備員1人が射殺されたという。一部の生徒は混乱の中で逃げ出し、朝になると保護者が校舎に駆け付け、迎えに来た子どもを連れて帰った。
同じ週の17日には北西部ケビ州の公立中等学校が襲撃され、女子生徒25人が拉致されたばかりだった。連続する事件を受け、ナイジャ州や周辺のカツィナ州、プラトー州は予防措置として広い範囲で学校を休校とし、子どもを家に戻す判断をした。当局と軍は、生徒たちが隣接するカドゥナ州ビルニングワリ地区の森へ連行された可能性が高いとみて、森林一帯を捜索している。子どもたちの行方はなお分かっていない。
止まらない学校襲撃と盗賊団、深まる不安
セントメリーズ学校を襲ったとみられるのは、現地で「盗賊団(バンディッツ)」と呼ばれる武装犯罪組織だ。彼らはザムファラ州やカツィナ州、カドゥナ州など北西部から中部に広がる森に拠点を構え、村や道路を急襲して家畜や金品を奪い、身代金目的の拉致や殺人、家屋への放火を繰り返してきた。近年はイスラム過激派組織ボコ・ハラムなどジハード勢力との連携も指摘され、治安悪化の要因が複雑に絡み合っている。
2014年に北東部ボルノ州チボクでボコ・ハラムが女子生徒約300人を連れ去った事件では、一部が何年も拘束され、今も行方不明の人がいる。今回の拉致はその記憶を呼び起こし、学校という場への不信を広げつつある。ナイジャ州政府はケビ州での事件を受け、一部地域の寄宿学校に休校命令を出していたが、セントメリーズ校は再開していたとされ、治安情報をどう現場に徹底させるかという課題も見える。ボラ・ティヌブ大統領は治安部隊を警戒態勢に置き、国際会議への出席を取りやめて対応に専念すると表明した。
子どもたちの声が消えた校庭には、閉ざされた教室と静まり返った遊具だけが残り、砂ぼこりを巻き上げる風だけが日常の名残を静かに知らせている。
