北朝鮮・キム・ソンギョン国連演説が緊張を再燃

北朝鮮・キム・ソンギョン国連演説「われわれは核を絶対に手放さない」

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北朝鮮の外務次官キム・ソンギョンが国連総会で「われわれは核を絶対に手放さない」と演説し、非核化要求を主権と生存権の放棄に等しいと断じた。日米韓の共同訓練を名指しで批判し、抑止力強化が「力の均衡」を保つと主張した。朝鮮半島の緊張は下がらず、対話の糸口は示されつつも、根本の溝は依然として深い構図である。

国連の壇上で強調した「核は手放さない」

ニューヨークの総会ホールに緊張が走ったのは日本時間の2025年9月30日である。北朝鮮のキム・ソンギョン外務次官は、非核化の押し付けは主権と存在の否定だと切り返し、「核は国家の根本的権利であり、いかなる状況でも放棄しない」と述べた。核保有を自国の法体系に根付いたものと位置づけ、譲歩の余地を排した語り口だった。

さらに次官は、米国と同盟国の「侵略の脅威」に比例して抑止力を拡張してきたと説明し、その結果、朝鮮半島の「力の均衡」が保障されていると主張した。今回の高官派遣は2018年以来とされ、国連の場に平壌から直接乗り込む形で立場を誇示した格好である。

一方で、演説の調子は過去の激しい非難より抑制されていた印象が残る。米大統領個人への罵倒や威嚇的な文言は影を潜め、代わりに「均衡」や「抑止」といった語が繰り返された。強硬な結論を据えながらも、表現を整えたことで対外メッセージの幅を残した形である。

日米韓の演習と「力の均衡」という理屈

次官は、日米韓の共同訓練が核攻撃の手順や方法の習熟を狙うものだと非難した。大規模化する警戒監視やミサイル迎撃のシナリオを挙げ、情勢を「極度に緊張させた」と断じたうえで、自国は現実の脅威に応じて抑止力を高めただけだと正当化した。

これに対し、日米韓は共同訓練を防御的措置と位置づける。北朝鮮の核・ミサイル開発は国連安保理決議に反するとして、監視と抑止の態勢維持を続けてきた経緯がある。度重なる弾道ミサイル発射や新型兵器の誇示が続くなかで、同盟側の訓練は抑止強化の柱とされてきた。

「均衡」の語は聞こえは整っているが、現実には行動と対抗が積み重なり、相互のリスクが上がる循環を招きやすい。訓練の強化が北朝鮮のさらなる技術実証を誘い、それがまた訓練の拡張を正当化する構図だ。演説はこの循環を抑止の成功と描写したが、緊張の底上げも同時に示している。

対話の余地と地域への波紋

今月の北朝鮮内部の発信では、米国が非核化要求を手放し真の共存へ踏み出すなら「向き合えない理由はない」との趣旨もにじんだ。だが今回の国連演説は、核放棄の線を一切動かさない姿勢を重ねて明確にした。対話の窓は、条件付きのまま遠くに置かれている。

次官は、核戦力は国家の政策であり存在権の根幹だと位置づけた。国内法や制度に核保有を組み込み、外交の場でも法的正統性を装う構図である。相手に譲歩を迫る際の硬い土台を作り、制裁や圧力では路線を曲げないというシグナルを重ねて送ったかたちだ。

安保理制裁は2006年以降の枠組みが積み重なり、履行の揺らぎは地域の安全保障環境に直結する。日本は同盟と歩調を合わせつつ、監視と抑止を基軸にし、危機管理の実効性を磨く必要がある。同時に、条件が整う局面では危機を下げる窓口を手放さないという二正面を保つ局面が続く。

参考・出典

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